上岡龍太郎の「反社と芸人」論、今見ても納得しかない
我々とヤクザは一緒
1987年春に始まって、98年春に放送終了した「鶴瓶上岡パペポTV」(読売テレビ)。笑福亭鶴瓶と2000年4月に芸能界を引退する上岡龍太郎が2人でトークをする55分の番組だ。
ことに上岡の歯に衣着せぬ物言いが人気で、深夜にもかかわらず、彼の毒舌に思わず快哉を叫んだ視聴者も少なくなかった。その中には、上岡がひとりで御説ごもっともな「反社と芸人」論を展開する回がある。
「芸人ちゅうんはなんや言うたら、落ちこぼれ人間ですよ。社会のはみ出しもん。アウトロー。いわば暴力団と一緒ですから。我々とヤクザは一緒。そやからあの、芸人とヤクザが癒着したらいかん言うけどウソ、あんなもん。根が一緒やから癒着もなにも、もともと同じタイプの人間やからね」
今となってはテレビから駆逐されて久しい紫煙をくゆらせながら、上岡はこんな風に続ける。
「できるだけ楽したい、ね。みんなと一緒のことはしたくない。そや言うて、ちやほやして欲しい、お金はようけ貰いたい。ほとんどこういう考えの人間が芸人とヤクザになるんですね。ただ、向こうは腕が達者でこっちは口が達者やったいうだけでね。(中略)我々芸人の言うこと聞いて、“へえ”とか“なるほどなあ”とか、そういうことを一般の人は言う必要ないんですね。“ふん、バカが”と、こう思うてりゃええ」
【人気記事】「芸は一流、人気は二流、ギャラは三流、恵まれない天才、上岡龍太郎です」
[1/2ページ]