「加藤の乱」に西川のりおは「お笑い辞めてサラリーマンにならんかい」

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 現体制が続くなら吉本を辞めると大見得を切った加藤浩次(50)だが、いまは宙ぶらりん。“加藤の乱”は小康状態にある。そんな現状を、

「正直、少しがっかりしましたよ」

 と、西川のりおは受け止めている。今年、芸能生活50周年を迎えた。「なんばグランド花月」の舞台を終えたところに声をかけると、疲れているはずなのに、その視線と語気は鋭い。

「僕は昔からいてる人間やから感覚が違うのかもしれへんけど、話の引き出しが違うと思う。相方(山本圭壱)がなかなか復帰できなかった件で不満が溜まっていたかもしれへん。でもそれって、今回の闇営業の問題とはまた別の話でしょ。会社の旗色が悪いのを見て、やれギャラが低いのパワハラがなんだと言う若手がいます。そういう不満はもっと前に言うべきやろ」

 もっとも、1980年代の漫才ブームや「オレたちひょうきん族」で一世を風靡した西川には理解できない感覚かもしれないが、

「芸人って個人事業主でしょ。勝手に営業行ってもええけど、なんか起きたら自分で責任取れよ。宮迫も田村も、好きで行ったんやから自分でケツ拭くべきやろ。カネは受け取ったけど反社とは知りませんでしたじゃ通らん。個人事業主なんやから、全部、自己責任や」

 ボルテージは次第に上がっていく。

「いま、話がだんだんおかしなってる。そもそもは、振り込め詐欺グループの会合に出席したんが悪い。だったら、自分で会見開いて謝れば済む。それだけの話やろ。そのための会見で会社の悪口を言うのは筋違いや。可哀想なのは振り込め詐欺の被害に遭った方々なのに、会見で涙を流したら悲劇のヒーロー扱いなんておかしいでしょ。社長がやった会見にもいろいろと文句言うのもおるけど、むしろ会社は、宮迫や田村のケツを拭いたろうと思っとったわけですよ」

 そして、舞台やテレビの西川からは想像がつかないほど険しい表情に。

「ウチらは芸人や。サラリーマンちゃう。夢を追ってこの世界に入ってきたんや。うまく行ったら一攫千金やけど、うまく行かんかったら野垂れ死に。そういう覚悟でこの世界入ったんちゃうんか。それなのに、最低限の賃金保障をしろなんておかしな話ですよ。それやったら、お笑い辞めてサラリーマンにならんかい。芸人いうのは、こうやって劇場や寄席で喋る人間のこと。テレビにばっかり出て現場を疎かにしているのはお笑いタレントって言うんですよ。芸人は、芸をやる。会社に口は出さん。それができなければ会社を辞めればええ。これが、68歳の芸人の言葉です」

「自己責任」を半世紀も貫いてきた芸人の矜持は、加藤の心にも響くか。

週刊新潮 2019年8月8日号掲載

特集「『朝日新聞』が社説で勘違いする『吉本問題』への溜め息」より

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