広島カープ・緒方監督の鉄拳制裁をデーブ大久保、野村克也らはどう見るか?
親子そのもの
脚本家の橋田壽賀子さんは女学校時代を振り返って、
「兵隊さんを励ます『慰問文』が宿題に出て、それを親に書いてもらったのがバレたことがありました。その時に“ちゃんと書いてこい”とキツく叱られたことで、国語が好きになったんです。人の心を打つような文章を書こうと思うようになり、女子大の国文科、早稲田の国文科を経て、今は文章を扱う仕事をしています。厳しく叱ってくれるというのは有難いもの。きちんと理由があれば、時に手が出てしまうのも仕方がないのではないでしょうか」
とし、暴力が押しなべてダメになった理由について、
「事なかれ主義のせいだと思います。どこまでが暴力でどこからが愛のムチかの判断が難しく、判断する責任を放棄しているのではないかと感じてしまいます」
確かに組織を率いる者には、信賞必罰の指導が求められるべきではあるまいか。
元カープコーチでOB会長を務める安仁屋宗八氏は全面的に緒方監督を擁護し、
「自分が2軍監督をしていた時、期待する選手には手も足も出しましたよ。それで1軍に上がっていった選手が何人もいます。でも、来年クビになるような選手には手を出さなかった。期待していないわけですから。(球団が下した)厳重注意は要らないですよ。監督は当たり前のことをしただけですから。チームは家族。監督と選手は親子そのもの。家族内の細かなことを外に晒す必要がありますか?」
大手芸能事務所の件でも耳にした喩え話である。
11連敗は達川政権時の99年以来で、その年の成績は5位。一方、月間20勝したチームはみな2位以上の結果に。愛のムチは生きるか――。
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