広島カープ・緒方監督の鉄拳制裁をデーブ大久保、野村克也らはどう見るか?
「話せばわかるじゃん」
次に、生まれ故郷が広島でカープのコーチを務めた経験もある広岡達朗氏は、
「俺は一回も選手を殴ったことはありません。ちゃんと言えば、分かってもらえるものなんです」
と言うものの、暴力“一部容認派”だ。
「ヤクルト監督時代、若松(勉)が“足が悪くて”と言い訳して練習に遅れてきたり、移動のバスで缶ビールを飲んでたりしたことがありました。俺は、“お前、ウチにいなくていいよ”とだけ言ったんです。そうしたらすぐに態度を改めた」
言葉の暴力と言えなくもないが、それはともかく、
「今の監督は勉強が足りないですよね。俺はオフの日も合気道や居合、様々な『道』の長のところに話を聞きに行ったりし、それで威厳を保つことができた。更に、選手を指導するのはまずコーチであって、コーチが正しいプレーを教えていなかったのなら、監督はコーチをぶん殴るべきだった。言っても分からんくらい余程のことがあったら、手を出すのは仕方ない。上手くなってもらいたいと思っているわけですから」
ジャーナリストの徳岡孝夫氏は暴力“全面肯定派”。
「一生懸命走らないかん時にそうしないで、どうやったら相手に勝てるのか。怠慢走塁は野球の精神を冒涜している。南海ホークスの野村監督に聞いてみろって。“怠慢走塁で殴るのは当たり前だ”って言うだろう」
“南海の野村監督”こと、野村克也氏に尋ねると、
「昔の野球の監督って軍隊経験者が多かったから、軍隊式の指導で選手をよく殴っていたよな。ワシら、鶴岡(一人・元南海監督)によく殴られたよ。でも俺はそういうのが大嫌いだった。暴力はいけないよ。野蛮だから。プロ野球だよ。話せばわかるじゃん」
これを徳岡氏に振ると、
「まあ今はそう言うのかもな……。ただ、私の考え方は単純明快。監督はボヤボヤしている奴をぶん殴るために雇われているんです」
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