「立花」N国党代表を喜んで取り上げる民放テレビマンの本音、一方NHKは黙殺で対抗

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民放もNHKをぶっ壊す?

 民放プロデューサーが言う。

「これらの番組に中で特筆すべきなのは、『ワイドスクランブル』が視聴率5・8%で、珍しく同時間帯で1位になったこと。そして低迷する『news 23』も5・3%も取ったこと。これは明らかにラテ欄効果だと思いますよ。『ワイドスクランブル』は“直撃!!”と打っていますし、『news 23』の場合は、夜のNEWS番組で“N国”と表記した唯一の番組でしたからね」

 なぜ、一斉に取り上げたのだろうか。

「それはもちろん、N国が国会で無視できない存在になりつつあるからです。それに立花さんのキャラクターも面白いですからね。それと、一般視聴者のNHK受信料に対する不満はいまも燻っていますから、どの局も“数字が取れる”と思ったのではないでしょうか。さらに、正直言って、民放のテレビマンの中にもNHK嫌いが多いことも少なからず関係あると思います」(同)

 民放が抱く“嫌N”の感情は、近年ますます高まっているという。

「やはり、5月末に放送法改正が成立し、NHKが今年度中にも始めようとしている、ネットによる常時同時配信に対しては異論が多いですね。これまでも、スポーツ中継や自然災害のニュースなど一部の番組については、ネット経由でリアルタイムに配信してきましたが、それが24時間できるようになったわけです。民放にはそこまでかけるお金がありませんが、NHKには年間7000億円を超える潤沢な受信料があるからできること。NHKの肥大化に繋がると言わざるを得ません」(同)

 ちなみに、民放連会長の大久保好男・日テレ社長(69)は、「補完業務である配信業務の事業費が無制限に拡大すれば、民放事業者から見て、NHKの肥大化につながる」と発言し、TBSの佐々木卓社長(60)は、「僕ら民放はとても(常時同時配信は)ビジネスにならないが、民業圧迫をしないでほしい。今後のNHKの進め方を注視したい」と警戒している。

 民放のNHKへの不満はこれにとどまらない。民放プロデューサーが続ける。

「『チコちゃんに叱られる!』や『あさイチ』のような民放的な手法で視聴率を狙うのは、我々にとっては迷惑でしかありません。特に『チコちゃん』などは民間の制作会社に丸投げしているわけですからね、いまや民放と何が違うのかもわかりません。NHKは受信料という安定した収入があるから高視聴率など狙わなくてもいいはずなのですが……」

 おまけに、その受信料の使いっぷりも酷いというのだ。

「その昔、NHKは出演者のギャラが安いと言われていました。それでも全国津々浦々にまで電波が届くために、歌手や俳優も出演したので。たとえば、北島三郎さん(82)でもわずか15万円、『ガッテン!』の立川志の輔師匠(65)でも8000円と聞いたことがあります。安いギャラでも大河や紅白に出演すれば、箔がついて民放でギャラが跳ね上がりましたから、民放との棲み分けができていたのです。しかし、今は民放以上のギャラをもらう人が出てきているそうですよ。特にお笑い芸人のギャラがいいようで、NHKを優先する芸人もいるそうです。また、大河『いだてん』がいい例ですが、潤沢な広告費をばらまいて、テレビ雑誌を中心になりふり構わず記事を取りにいくから、民放番組のスペースが追いやられてしまうということも起きています」

 だから、各局とも熱心に“NHKをぶっ壊せ!”を報じているようなのだ。本音を言えば、この期に乗じて、NHKをいじめてやれ、ということらしい。ちなみに7月31日は、「ワイドスクランブル」に気をよくしたのか、テレ朝は「グッド!モーニング」、「羽鳥慎一モーニングショー」、そして「ワイドスクランブル」へと情報番組3連チャンで“N国”をラテ欄に掲載した。

 さて、一方、ぶっ壊される立場となった“みなさまのNHK”が、N国をどう報じたかといえば……。NHKのサイトでは、文字で立花代表の初登院については軽く触れている。しかし、テレビとなると、ラテ欄にひと言もなければ、ニュース番組でも一切無視。かえって、意識し過ぎではないかと思うほど、ひとっ言も触れていないのである。

 まあ、「次のニュースです。NHKから国民を守る党の立花代表は……」なんて原稿は、NHKのアナウンサーも読みたくはないだろう。しかし、公共放送としては、国会議員2名を擁する政党「NHKから国民を守る党」の活動は報じてもらわなければならない。

 N国はくじ引きにより、参院予算委員会の1枠も獲得するという運の良さを持っている。NHKとしてはますます無視できない存在に。8月1日には初登院も済ませた立花代表、議員としてNHK初出演はいつになるだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2019年8月4日掲載

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