JOC山下泰裕新会長、メディア相手の「寝業」に苦戦中

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「抗議文を出す」

 先の運動部記者曰く、

「山下会長に対して、“話し合うということだったのに、一方的に決めるとはどういうことだ”“福井専務理事の説明は虚偽じゃないか”と記者会側は抵抗しました。臨時総会を開き抗議文を出すことも検討しています」

 根回しという“寝業”がかけられず、さぞや落胆しているのではと、ご本人の自宅を訪ねれば、

「一切そういう対応はしていません」

 そう口を閉ざすので、元JOC職員でスポーツコンサルタントの春日良一氏に山下会長の胸の内を推し測ってもらった。

「山下さんは、忌憚なく意見交換が出来るようにするために、理事会非公開化を進めたのでしょう。公開では、事務方の作成した答弁を読み上げる国会のように、形式的な議論しかできない場合があります。彼にとっては、非公開化もJOC改革の一環なのです。山下さんは、森喜朗東京五輪組織委会長と同様に、プーチン大統領をはじめ、国内外の要人に人脈があり、森会長にも意見できると言われている、スポーツ界にとって貴重な存在です」

 記者会との関係悪化の原因については、

「組織に記者対応に精通した人材がおらず、山下さんにこの件でアドバイスをするブレーンもいなかったのでしょうね。それで、余計事態がこじれてしまった」

 森会長に物申せるだけの力があったとしても、苦労するのが組織運営ということなのだろう。

 いくら“世界のヤマシタ”といえども、一本とれる答えは見いだせず……。「正解のヤマシタ」とはいかなかったようだ。

週刊新潮 2019年8月1日号掲載

ワイド特集「ひいき筋が引き倒す」より

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