若林、山本、吉川尚、田中……6人もいる巨人の2塁手、最後にレギュラーを掴むのは?
巨人史に残る団子レース!?
金満巨人は、他チームの大物選手をFAで補強するばかり――アンチ巨人の怨嗟の声が漏れる。しかし、今年の巨人は若手の競争も熾烈だ。特に2塁手は、これまでに何と6人がスタメンで出場している。誰が抜け出すのか、興味深く試合を見ているG党も少なくないだろう。
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論より証拠。その6選手を表にまとめてみた。まずはご覧いただこう。
開幕スタメンは吉川尚輝(24)だった。スポーツ報知が4月8日に「巨人・吉川尚輝が4戦連続安打で首位打者に 3度目猛打賞」との記事を掲載したように、彼自身も“開幕ダッシュ”に成功した。
ところが4月14日、腰痛のため出場選手登録を外れた。スポーツ報知が15日に掲載した「巨人・吉川尚輝が出場選手登録抹消 腰痛で12日から欠場」によると、原辰徳監督(61)は《「早めに帰ってきてもらいたい気持ちと、しっかり治して、というところと非常に半々のところです」と話した》というが、多分、本音だったのだろう。
原監督は、代わりに山本泰寛(25)を起用する。スポーツ報知が5月7日、「巨人・山本泰寛がプロ初の3安打 指揮官も絶賛」の記事を掲載したが、早速、活躍をしたわけだ。
だが、6月6日に若林晃弘(25)がスタメン出場すると、山本の名前は消える。そしてスポーツ報知は18日、「巨人・若林晃弘が大活躍中 交流戦4割超10戦連続先発 絶好調の秘密は」と報じた。
巨人の2塁といえば、千葉茂(1919~2002)、土井正三(1942~2009)、篠塚和典(62)、仁志敏久(47)――という名前が浮かぶジャイアンツファンもいるだろう。果たして表に名を連ねた6人のうち、一頭地を抜く選手は誰だろうか?
野球解説者の小田幸平氏は、「6人の中ではまず、増田大輝が“代走のスペシャリスト”という地位を確立しています」と指摘する。
「今年も既に7盗塁を決めています(編集部註:7月26日現在)。代走として出場した後にセカンドを守ることはあるでしょうが、今後は2塁手としてスタメンに選ばれることは少なくなっていくと思います」
これで残るは5人だが、小田氏は「正直に言えば、既に答えは出ています。巨人の正2塁手としての地位を固めつつあるのは、開幕スタメンに選ばれた吉川尚輝くんです」と言う。
「ショートの坂本勇人くん(30)から直接、聞いた話ですが、吉川くんは守備のレベルがズバ抜けているそうです。とにかく守備範囲が広い。坂本くんが何度も『あ、外野に抜けた』と思ったボールを、吉川くんがキャッチするんだそうです。確かに彼の守備スキルは首脳陣も高く評価していて、キャンプの時から期待されていました」
小田氏は「プロ野球の世界では、吉川くんのような俊足の選手は、怪我が多いという傾向があります」と言う。守備と走塁に自信があるからこそ、必要以上のプレーを目指してしまう。そのために怪我をしてしまうようだ。いずれにせよ、早く完治して復帰してほしいと願うジャイアンツファンは少なくないだろう。
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