参院選で求心力低下の「枝野幸男」と一人勝ちの「山本太郎」、勝負の分かれ目
野党再編の行方は?
7月25日、時事通信は「揺らぐ『枝野1強』=参院選結果受け-立憲」との記事を配信した。
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立憲民主党は改選9議席を17議席に伸ばした。枝野幸男代表(55)は「議席倍増という結果を出させてもらった」と胸を張った。しかし有権者もマスコミも、党内の一部も、そうは思っていない。時事通信は記事で、次のように指摘した。
《京都、大阪両選挙区では共産党にも後れを取り、議席を獲得できなかった。比例代表は公明党より1議席多い8議席にとどまり、「目玉候補」として擁立した元アイドルら14人が落選。事前の情勢報道では20議席台も予想されたのに対し、物足りない結果に終わった》(註:全角数字を半角数字に改めるなど、デイリー新潮の表記法に合わせた。以下同)
読売新聞も7月24日に「立民内 執行部に不満噴出 『戦術誤り』 目玉候補落選相次ぎ」の記事で、《目玉候補は落選が相次いだ》とする表を掲載した。これにデイリー新潮が手を加えたものを掲載した。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は「立憲民主党は参院選で確かに敗北はしませんでした。ですが勝利したとも言えないでしょう」と総括する。
「もっと言えば、『他の野党の足を引っ張った』と批判されても仕方のない選挙だったでしょう。改選数2以上の選挙区では独自候補者を擁立し、国民民主党と競合させました。1人区での候補一本化でも立憲の対応は遅かったと思います。候補を一本化した選挙区では10勝22敗という結果に終わりましたが、早めに対応していれば、あと1、2議席は獲得できた可能性があります」
小池百合子都知事(67)の“排除の論理”に枝野代表は泣かされ、それが立憲民主党の結成につながった。だが「週刊朝日」の8月2日号に掲載された「本誌恒例・国会通信簿」で御厨貴・東大名誉教授(68)は以下のように指摘した。
《枝野さんが一番、排除の論理が働いている。国民民主党をいかにたたくか、そういうときだけギーギー言う内ゲバ体質のように見えます。彼が一番恐れているのは立憲が野党第1党の座を滑り落ちること。国会のしきたりから言うと、いちおう与党の総裁と野党第1党の代表というのは対等に扱われるから、気分が悪くないはずです》
伊藤氏も「私も以前から、立憲民主党は旧社会党と類似点が少なくないと指摘してきました」と言う。
「今の立憲民主党は政権交代を目指さず、野党第1党を目指す戦略を採用しています。これは旧社会党の戦略と全く同じなのです。現在、全有権者に占めるリベラル票は3割に過ぎないとされています。これを自分たちだけで獲得しようとするのが立憲民主党の選挙で、実際、今回の参院選で、国民民主党が厳しい立場に追い詰められたのは事実です。維新との合流や党分裂も囁かれていますが、これは野党第1党を最優先にする立憲民主党にとって歓迎すべきシナリオです」
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