TBS「動物スクープ100連発」が驚きの視聴率 フジは視聴者をナメて惨敗の明暗
放送業界でいま、にわかに注目されている番組があるという。それが7月12日にTBSで放送された「笑える!泣ける!動物スクープ100連発」で、視聴率は13・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同じ)だった。
よくある“衝撃映像の連発モノ”のひとつとしか思えないが、プロの間では「この手があったか!」と評価されているそうだ。一体、何が違うのか――。
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この日は、各局とも力が入っていた。テレビ朝日は「プロ野球 オールスター第1戦」(19時~21時54分)、フジテレビは「プロボクシング」(20時~21時55分)で村田諒太のWBA世界ミドル級王者をかけた雪辱戦だった。日本テレビは、細田守監督のアニメ長編映画「未来のミライ」(21時~22時54分)をTV初登場として放送した。それぞれスタート時間にばらつきはあるものの、全ての番組に被る形で放送されたのが「動物100連発」(20時~22時54分)で、なんとこの中でトップを取ってしまったというのだ。民放プロデューサーは言う。
「テレ朝のオールスター戦は9・1%、フジのボクシング・村田戦(21時7分~21時55分)は11・9%と、昔なら確実に数字が取れていたスポーツ中継が、お荷物になってきていることが再認識させられました。日テレとしては、ジブリに続くはずの細田作品が9・9%と二桁に届かなかったのは誤算だったでしょう。そんな中で、『動物100連発』が13・9%も取ってしまった。NHKの『チコちゃんに叱られる』(19時57分~20時45分)は相変わらずの強さで12・7%でしたが、それすらも上回ったわけです」
TBSといえば、番組改編期に特番として放送される「世界衝撃映像100連発 カメラが見た劇的瞬間」が有名である。海外のテレビ局などが報じたニュース映像を中心に、衝撃的な映像を次から次に流していくものだ。「動物100連発」は、これを動物映像のみに特化した番組である。
「“無国籍特番”という海外の珍しい映像をまとめた番組は、TBSに限らず昔からありました。ただ、それを“○○連発”というカウントアップという形にした元祖は、日テレさんが1996年3月12日に放送した『噂の解禁(秘)過激(秘)衝撃 信ジラレナイ99連発』でしょう。遡れば、日テレさんには1990年にスタートした『世界まる見え!テレビ特捜部』というレギュラー番組があり、昔から海外の映像に強かった。ハチミツ取りのおじさんを“ハニーハンター”と呼んだりして、世界各国で放送されている番組を、面白おかしく紹介していたわけです。当時、そうした素材の買い付けを一手に引き受けていたのがスフィンクスという制作会社。この会社、それ以前は『なるほど!ザ・ワールド』(フジ:81~96年)の海外コーディネートをやっていたので、海外にパイプがあったんです」(同・民放プロデューサー)
海外映像の買い付けに、これほど脈々とした歴史があったとは……。
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