野村証券元社員「シャンパン王子」の投資詐欺で被害は億超え! 不祥事多発の企業体質
現役社員が鵜飼いの鵜になった「野村証券」同時多発サギ(2/2)
〈当社元社員による投資詐欺の疑いについて〉と、野村証券が注意喚起を行ったのは、さる7月2日のこと。ニュースリリースは「中村成治(なかむらせいじ)」なる元社員の実名が挙げられ、異例の内容だ。複数の投資家が週刊新潮に被害のほどを語るが、中村の詐欺行為には、野村証券の複数の現役社員も関与しているのだ。
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この「中村案件」の被害は野村証券内で広域化している。名古屋支店にいた社員から中村を紹介されたと話すのは、京都府在住の会社経営者だ。
「中村を連れてきた野村の社員と私は、彼が学生時代に祇園のクラブでボーイをしていた時からの付き合い。野村に就職したと言うから、私は会社の名義で口座を作ってあげて1億円くらい運用していたんです。そんな矢先、彼の同期の中村という男から1千万円貸して欲しいと言われまして」
3カ月で50万の金利がつくと説明されたが、昨年11月頃から支払が滞るようになったそうだ。
「旧知の彼に大丈夫かと尋ねたら、“中村を紹介したのは自分なんでケツ拭きます”と、今でもちょっとずつ返してくれているからね。こちらもあまり大事にするつもりはないけど……」(同)
金持ちケンカせずとはいえ、大人たちの義理人情につけ込み、中村たちは野村の優良顧客から金を集めては、湯水の如く溶かしてしまったのである。
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