「NHKから国民を守る党」の政見放送がハチャメチャ過ぎる件

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 いまいち盛り上がりに欠ける今夏の参院選で、妙な注目を集めているのが「NHKから国民を守る党」だ。政治部記者によれば、

「受信料不払いを政策の柱に掲げ、41名の候補者を擁立。その政見放送がハチャメチャなんです」

 実際、党代表の立花孝志氏の放送を覗いてみれば、

〈不倫ですよ? 路上ですよ? カーセックスですよ?〉と、3年前に写真誌に載ったNHKアナウンサー同士の不倫報道を蒸し返し、「路上カーセックス」という“不適切”な単語を連呼。吹き出すムキも多かろうが、キワモノなのは立花氏に限らない。

 大分で出馬した牧原慶一郎氏など、カメラの前に登場したものの終始ダンマリ。時間にして6分弱。姿勢を変えたり、メガネを外してみたりで、以上、終わりだ。“NHKの力は借りない”という決意の表れかと勘繰りたくなるが、本人は、

「いやぁ、原稿を書くのが面倒だったんですよ。それに口ベタで、カメラの前で噛んでしまうのが分かっていたから、それなら無言を貫き通そうと……」

 一方で、こんな話も。

「政見放送の収録前、NHKの職員の方はとても親切にスタジオまで案内してくださったのですが、収録後は声をかけても無視されてしまいました」

 一方“べしゃり”の達者さで注目を集めるのは三重の門田節代氏で、

〈私たちは、門田シスターズです〉

 と始まったその中味は、3人姉妹が登場する落語形式。1人3役で〈NHK職員の平均給与は1780万円以上もあるんやで〉〈NHKの新社屋の建設費、東京オリンピックスタジアムより高いんやで〉と批判しまくるのだ。どこでその話芸を身に付けたのか。本人いわく、

「昔、朝日カルチャーのお笑い福祉士養成講座で落語家の方の授業を受け、人前で芸が出来る認定は受けています。収録の直前にも桂枝雀さんの『らくごDE枝雀』を読み返して、だいぶ良くなったと思いますわ」

 ハナから良識の府に期待なんてしちゃいないが……。

週刊新潮 2019年7月25日号掲載

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