「貴景勝」父、ALSOK引き連れご祝儀お持ち帰り 相撲界の慣例を破る振る舞い

スポーツ

  • ブックマーク

相撲界の「常識」

 古今東西、また業界の違いを問わず、お金にまつわるイザコザはなかなかに質(たち)が悪いと相場は決まっている。では、今回は何が問題視されているのか。それを理解するためには、まず相撲界の「常識」を知っておかなければならない。

 角界事情通が解説する。

「昇進披露宴の類のパーティーは、力士の名前を冠して行われるとはいえ、あくまで相撲部屋が主催します。さらに言えば、相撲協会もバックアップする。つまり、相撲界あげてのパーティーという位置づけですから、その収入は力士個人のものではないという認識なんです」

 相撲担当記者が後を受ける。

「それも当然で、もちろん力士個人、今回で言えば貴景勝の昇進を祝うパーティーではあるものの、その力士を育てるために部屋は力士に投資をしてきたわけですからね。例えば、スカウトするにあたってその力士を紹介してくれた人への謝礼金や、力士の両親への支度金です」

 先の角界事情通が改めて補足する。

「貴景勝の場合、もともとは貴乃花を慕って貴乃花部屋に入門し、彼の角界引退により千賀ノ浦部屋に移った経緯があり、育ての親は貴乃花という意識があるのかもしれません。しかし、千賀ノ浦親方が貴景勝たちを引き受けてくれたからこそ、旧貴乃花部屋の力士たちは散り散りにならず、今も一緒に稽古できているわけです。間違いなく、千賀ノ浦親方の恩恵を受け、世話になっている。ですから、昇進披露宴の収入の中に部屋の取り分が含まれていると考えるのは至極真っ当。それを、貴景勝の親に持っていかれたら、部屋の人たちが眉を顰(ひそ)めるのは当然です」

次ページ:取り分の“相場”は

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。