「貴景勝」父、ALSOK引き連れご祝儀お持ち帰り 相撲界の慣例を破る振る舞い
「貴景勝」ご祝儀2700万円の“強奪者”(1/2)
ここ最近、モンゴル人力士の狼藉も収まり、落ち着いた感が漂う大相撲。だが、7月場所の真っただ中で新たな問題が発覚した。その主人公は、日本人の若手力士で最有望株の貴景勝。彼の大関昇進披露宴の場で、ご祝儀を巡り関係者が唖然とする騒動が起きていたのだ。
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極端な例ではあるが、先般の元農水次官の事件や、カリタス小学校児童殺傷事件を目の当たりにし、親子関係がこじれ、破綻すると、取り返しのつかない事態が起こることを我々は改めて思い知らされた。
世の中、事件にこそ発展しないものの親子関係に悩む家庭は少なくなく、進学や就職、あるいは結婚といった人生の岐路で仲を違える親子は枚挙に遑(いとま)がない。あなたの身の回り、いやもしかしたらあなた自身がその悩みの渦中にいるかもしれないし、どこかの高貴な親子を思い浮かべる不敬な輩もいるかもしれない。兎(と)にも角(かく)にも親子関係とは難しいもの。それが、「擬制の親子」だったりすると、より複雑だったりして――。
〈御嶽海「名古屋V2」「大関獲り」〉(日刊スポーツ)
〈御嶽海堂々「2連覇します‼」〉(デイリースポーツ)
大相撲7月場所の初日を迎えた7日付のスポーツ紙には、こんな見出しが躍った。昨年の7月場所で初優勝を飾った御嶽海を今場所の主役に仕立てて盛り上げようという苦心の跡が窺えるが、どうにも寂しさが拭えなかった。もうひとりの主役候補が消えてしまったからである。
貴景勝光信、22歳。
昨年の11月場所で初優勝を飾り、今年3月に大関に昇進。若い日本人力士の中で、将来の横綱候補筆頭と言われる逸材である。得意は突きと押し。その相撲スタイルさながら、出世街道をまっすぐに駆け抜けてきた貴景勝だが、ここに来て彼に「ふたつの試練」が襲い掛かっている。
ひとつ目は、右膝内側側副靭帯損傷のため今場所を全休することだ。これで先場所に続いて2場所続けての負け越しが確定し、9月場所では関脇に陥落することが事実上決定した。傷を抱えながら強行出場すれば相撲人生を棒に振る危険があり、先輩横綱の稀勢の里、あるいは貴景勝の元々の師匠である貴乃花がそれによって現役引退に追い込まれたことに鑑みれば致し方ないと言えよう。
そしてふたつ目も、貴景勝の相撲人生を左右しかねない試練である。しかも、こちらの「傷」は手術などでは治せない「心の問題」が絡み、さらには師匠と弟子という「擬制の親子」関係に決定的な影響を与えかねない事案なのだった。
「まだ7月場所への出場を目指していた6月16日、東京のグランドプリンスホテル新高輪の『飛天の間』で、貴景勝の大関昇進披露宴が開催されたんですが……」
と、現在貴景勝が所属する千賀ノ浦部屋の関係者は肩を落とす。「ハレ」の昇進披露宴を振り返るのに暗いトーンなのは、その後すぐに大関からの陥落が決まってしまったせいかと思ったら、
「違うんです。披露宴でカネに関する『珍事』がありましてね。当日、報道ベースでは2千人が集まったことになっているんですが、そのご祝儀金を、貴景勝の父親がそのまま会場から持ち帰ってしまった。まるで“強奪”ではないかとの声もあがりました。披露宴の純粋な『売り上げ』は4千万円以上あったはず。関係者は唖然としていました。前代未聞のことです」
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