闇営業問題で吉本でない「ザブングル」だけがスルーされたウラ事情

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 お笑い芸人の「闇営業スキャンダル」の余波が続いている。

吉本興業は闇営業をコーディネイトしたカラテカの入江慎也を契約解除し、雨上がり決死隊の宮迫博之やロンドンブーツ1号2号の田村亮ら計11人を謹慎処分とした。

 さらに、3年前に稲川会系暴力団幹部の誕生パーティーでの闇営業が発覚したスリムクラブも無期限謹慎処分となっている。

 この中でも特に「ギャラは受け取っていなかった」と、当初に嘘の報告をした宮迫や亮に対しては容赦のない批判が集まったが、これは当然だろう。たとえ本人たちが言う通り「知らなかった」うえでの参加だったとしても、結果的に反社会的勢力の会合に行ったことは紛れもない事実。まして嘘をついたことで完全に信用を失ってしまった。

 ところがその一方で、同じ闇営業に出ていながら、ほとんど批判を浴びることなく謹慎に入ったコンビがいる。忘年会に参加した芸人の中では唯一、吉本ではなくワタナベエンターテインメントに所属していたザブングルの2人だ。

 そもそも、『フライデー』による最初の報道でも、明らかに彼らとわかる写真が掲載されていたのだが、記事では一切、名前が触れられていなかった。このため番組の情報を記事の引用に頼っているワイドショーも、必然的にザブングルの名前を出さないという状況になっていたのだ。

 この不可解な扱いに対し、「ほかの吉本タレントに比べて知名度が低かったから無視された」「フライデーも気づかなかったのか」といった指摘も飛び交っていたが、もちろんそんなワケはないだろう。

 確かにザブングルは旬の芸人ではないが、テレビの世界ではそれなりに認知されている中堅コンビである。最近では、「さんまのお笑い向上委員会」などでも加藤歩が存在感を見せており、めっきりメディア露出の減っているムーディ勝山やレイザーラモンHGあたりと比べても、ネームバリューが劣るわけではない。

 吉本芸人が壮絶に叩かれている間、ザブングルは沈黙を守り続け、その名前がようやくマスコミに書かれ始めたのは、最初の報道から20日近く経過してからのこと。

「すでにザブングルは8月いっぱいで謹慎から復帰することを発表しています。対する吉本の芸人たちは復帰時期すら未定で、仮に復帰できても、世間のイメージは最悪になってしまいました」(スポーツ紙記者)

 では、フライデーはなぜザブングルの名前をあえて報じなかったのか。

「答えは簡単。ナベプロに忖度したんでしょう。ほとんどが芸人の吉本と違い、女優やモデルも多く所属するナベプロ系列とは日ごろから付き合いがありますからね。さらに言えば、フライデーを発行する講談社は、島田紳助の引退騒動の報道などで吉本興業と何件も裁判沙汰になるなど、以前から険悪な関係だった。吉本を集中的に叩くためにもザブングルの名前は邪魔だったということですよ」(講談社関係者)

 そして、この騒動の背後では、ワタナベエンターテインメントの広報担当幹部が“暗躍”していたという。

「この幹部は各芸能マスコミに対して『今回の一連の件は吉本と稲川会のトラブルで、ウチは関係ない。一緒にしないでもらえます?』『ザブングルの名前は、すべての名前を出さざるを得ないとき以外は出さないように。ナベプロの名前も控えるように』と連絡していましたからね。要するに『書くなよ』という圧力ですよ」(スポーツ紙記者)

 今回の件では、吉本の企業体質までが批判されており、ナベプロの対応は高い評価を得ているようだが、実はこちらもなかなかにブラックだったようである。

週刊新潮WEB取材班

2019年7月15日掲載

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