巨人・原監督「古巣に返品」異例トレードの代償

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 巨人・吉川光夫投手(31)、宇佐見真吾捕手(26)と日本ハム・藤岡貴裕投手(29)、鍵谷陽平投手(28)の2対2のトレードが成立した。

 3年前、やはり2対2で日ハムから巨人にトレードされていた吉川は、古巣に返品された格好だ。

「選手の意志で移籍するFAならともかく、一度“使えない”という烙印を押されたチームにトレードで出戻るというのは異例です」

 と語るスポーツ紙デスクによると、

「今回のトレードははっきり言うと“宇佐見⇔鍵谷”プラスアルファ。まず日ハムが、炭谷のFA獲得で捕手枠がダブついている巨人の宇佐見に目を付けた。一方、原監督率いる巨人は、リリーフ不足ゆえ鍵谷を指名。しかし両者の実績がバランスを欠くので、吉川を足すことに。すると今度は“2対1では2012年パMVPの吉川のプライドを傷つける”となったため、藤岡をくっつけて2対2にしたというわけです」

 どちらが得したのか。

「即戦力という点では鍵谷を獲得した巨人が“得した”と思っているでしょうが、ハムは宇佐見の将来性を買っている。一概にどちらが得と言えないですね」

 3年前の2対2トレードも、大器と言われながら伸び悩んでいた大田泰示(29)の将来性と、元MVP吉川の即戦力の交換だった。

「結果は明白。大田は日ハム打線の中軸に成長したのに対し、吉川は鳴かず飛ばずで返品されることになってしまいました」

 03年以降だけでも、両チーム間のトレードは実に13度に及ぶが、

「結果をみると、ほぼ日ハムの“勝ち”ですね」

 原因としては、

「日ハムで活躍した選手も、ファンやマスコミの注目度が高い巨人では萎縮してしまう。逆に、巨人を出た選手はプレッシャーから解放されてのびのびプレーするようになる。大田も“もう巨人には戻りたくない”と言ってるそうです」

 歴史は繰り返されるのか。

週刊新潮 2019年7月11日号掲載

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