「慰霊の日」に政治主張、空気読め(KAZUYA)
3年連続で6月23日に沖縄へ行ってきました。軍民合わせて20万人が亡くなった沖縄戦における組織的な戦闘が終了した日を「慰霊の日」として、沖縄で重要な一日になっています。
この日は全国各地から多くの人が訪れますが、今年はあいにくの雨模様で慰霊碑へ向かう人の出足が鈍かった気がします。
慰霊の形は様々です。しかし明らかに慰霊のためではないだろう、とツッコミたくなる人が今年も押し寄せていました。
平和祈念公園内の慰霊碑を回ってから公園入り口付近に行くと、「沖縄に基地を押しつける安倍政権 沖縄・慰霊の日に参加する資格なし」と横断幕を掲げつつ、拡声器を使って「安倍政権は帰れ」などと意味のわからない主張を叫んでいました。
付近には安倍総理をヒトラーに見立てたプラカードを掲げる人もいて、慰霊そっちのけで政治主張を展開しています。横断歩道を渡って反対側を見ると「沖縄人民解放 天皇上陸阻止 青年実行委員会」と書かれた大きな赤い旗を持っている人がいました。近くには「三里塚」と書かれたTシャツを着ているおじいさんも見受けられます。さながら偏った学生運動を忘れられない人々の同窓会のようになっています。
慰霊の日に政治的なものを持ち込んでいるという点で、知事が率先していると言えるかもしれません。翁長雄志前沖縄県知事もそうでしたし、今回就任後初めての慰霊の日に臨んだ玉城デニー知事も平和宣言の中で米軍普天間飛行場の辺野古移設について言及しており、声援が飛んでいます。
一方で安倍総理の演説中には一部からヤジが飛んでいました。ここ3年で一番多かったかもしれません。近くで聞いていると、それはひどいもので、僕の近くにいたおじさんは大声で何度も「帰れ」と叫んでいました。思いつめて叫んでいるというより、ニヤニヤしながら言っているので、何だこの人という感じです。
その様子を映像付きでツイートしたところ、動画は50万回以上再生され、1万を超えるリツイートがありました。反応を見ると概ね慰霊の日にそぐわない行動だと批判的に見る方が多いのですが、中には「誰も好きこのんで自分の国の総理大臣にヤジを飛ばしたい人はいないですよね。慰霊の日に声を上げざるを得なかった気持ちを察してあげてください」とヤジを擁護する声も見られます。
しかしそれは言い訳としては苦しいです。察してくれと言えば、極端な話何でも正当化できてしまいます。悪い総理にはどこで何を言っても許されると思っているのか……。しかし考えて頂きたいのは、それが慰霊の日だったということです。時の総理大臣を罵倒したところで沖縄戦に斃れた戦死者たちが報われるのか?
彼らは慰霊の日を口実に政治主張をしたいだけではないでしょうか。年々政治的な傾向が強くなっていることを危惧します。主張は結構ですが、空気読め。