嫌われ始めた「セブン」と愛され続ける「セコマ」 コンビニ顧客満足度の“明暗”事情

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セコマ人気を支える北海道事情

 顧客満足度を下げたセブンに対し、4年連続で1位を獲得、しかも今回、大きくポイントを上げた(昨年73・9→今年76・3)のがセコマだった。先に種明かしをすれば、他の調査対象コンビニが全国展開であるのに対し、セコマは1186店舗中1090店舗が北海道にある超ローカルチェーン(今年6月末の数字、他は茨城県と埼玉に96店舗)。高い顧客満足度には“組織的な道票”、もとい“道民のセコマ愛”があることは想像に難くない。

 北海道の話ながら――沖縄タイムスプラスが7月6日に配信した「セブン出店前『余地あり』沖縄のコンビニ数全国45位の少なさ帝国データ沖縄調査」記事で、人口10万人あたりのコンビニ数が最も多いと紹介されたのが、北海道の56・6店だった。その激戦地でひとり勝ちしているのが、セコマということになる。

 ローソンのバイヤーとして3年間を北海道で過ごした経験のある先の渡辺氏は、セコマ人気の秘密をこう分析する。

「最新の国勢調査では、北海道の人口は約538万人。そのうち約231万人が札幌都市圏と、人口が集中しているんです。大手も北海道に進出してはいますが、基本的に札幌エリアが中心。こうした状況にあってセコマが支持されるのは、人が少ないエリアにも出店する“生活インフラ”としての役割を果たしていることが評価されているのでは。なにせ日本最北端の稚内には『えびす店』、最東端の根室に『うちやま歯舞店』があり、利尻島、礼文島、奥尻島にも出店しています。人口1500人の地区にも店舗を構えているほど」

 評判のいい店内調理の弁当「HOT CHEF」の影響もあるのだろうか。

「かつ丼などが定番メニューですね。北海道の方って、おにぎりを温めて食べる習慣があるんですよ。あつあつで出来立ての食べ物への需要は、寒い北海道では特に強いのでしょう。さらに言うと、セコマは安い。我々の知っているコンビニは基本、定価販売ですが、セコマはセール価格で商品を提供する。毎週安売りチラシを配布するのも、コンビニでは珍しいですよね」(同・渡辺氏)

 過疎地への出店に、商品のセール販売。セブンほか大手チェーンも顧客満足度獲得のために見習っては……と思うところだが、なかなかそうもいかない事情があるという。

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