北朝鮮が韓国に“仲介者失格”の烙印 それでも文在寅が続ける猿芝居の限界が来た

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 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が北朝鮮に罵倒された。「仲介役でもないのに、口を挟むな」と言い渡されたのである。スクラムを組んでいたつもりの同胞国家から「外交プレイヤー失格」の烙印を押されたことになる。(鈴置高史/韓国観察者)

「蚊帳の外」から口出しするな

 6月27日、G20サミット(20カ国・地域首脳会議)出席のため文在寅大統領は大阪に飛んだ。その朝、朝鮮中央通信は「朝鮮外務省米国担当局長が朝米対話に関連する朝鮮の立場を表明」を配信、大統領を大いに嘲笑してみせた。

 この記事は米国に対話を呼びかける、さほど新味のないものだったが、途中から突然、韓国批判に転じた。日本語版から引用する。

・自分らが朝米関係を「仲介」するかのように世論化しながら人気を上げてみようとする南朝鮮当局者らにも一言言いたい。
・今、南朝鮮当局者らは自分らも一役買って何か大きなことをやっているかのように振る舞いながら自分の位置を探してみようと北南間にも相変わらず多様なルートを通じてなんらかの対話が行われているかのように世論を流している。
・朝米対話の当事者は文字通りわれわれと米国であり、朝米敵対関係の発生根源からみても南朝鮮当局が干渉する問題ではない。
・周知のように、朝米関係はわが国務委員会委員長同志と米大統領間の親交に基づいて進んでいる。
・われわれが米国に連絡することがあれば朝米間に以前から稼働している連絡ルートを利用すればよいことであり、協商を行っても朝米が直接対座して行うようになるのだから、南朝鮮当局を通じることは全くないであろう。
・南朝鮮当局者らが今、北南間にも何か多様な交流と水下の対話が行われているかのように宣伝しているが、そのようなことは一つもない。
・南朝鮮当局は、内部のことから正しく処理する方がよかろう。

 要は、「蚊帳の外の韓国が、余計な口を出すな」と言い渡したのである。

「おせっかい」はやめろ

 文在寅政権は米朝の間で対話の仲介役を務めていると宣伝してきた。が、実態は米朝に頼み込んで仲介役のフリをさせてもらっていたに過ぎない(『米韓同盟消滅』・「あとがき――中二病は治るのか?」参照)。

 米国は米朝交渉の邪魔をされたくなかったので、韓国の顔を立てて「フリ」をすることを許した。一方、北朝鮮は韓国を使って米国を騙そうとした。

 北朝鮮は「非核化」を約束しては破ってきた。周辺国は「もう騙されないぞ」と警戒している。そこで今回は「完全な非核化」を受け入れる素振りを見せ、その「保証人」として韓国を立てたのだ。

 だが、4月11日の米韓首脳会談を見て、北朝鮮は文在寅大統領を見捨てた。韓国は使い物にならないと見切ったのだ。

 トランプ(Donald Trump)大統領との「差し」の会談は実質2分間で打ち切られた。開城工業団地や金剛山観光事業の再開といった北朝鮮が熱望する対北ドル送金事業は、打診することさえ封じられた。

 金正恩(キム・ジョンウン)委員長は翌4月12日の施政演説で次のように文在寅政権を批判した(「金正恩が文在寅を“使い走り以下”の存在と認定 韓国『ペテン外交』の大失敗」参照)。

・すう勢を見てためらったり、騒がしい行脚を催促しておせっかいな「仲裁者」「促進者」の振る舞いをするのではなく、民族の一員として気を確かに持って自分が言うべきことは堂々と言いながら、民族の利益を擁護する当事者にならなければならない。

 ではなぜ今になって再び、北朝鮮は「仲介役」の称号を韓国から取り上げたのだろうか。

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