投資信託で3千万円が200万円に…私はこうして定年資産を溶かしました
私はこうして定年資産3千万円を溶かした
では論より証拠、だ。
実際に虎の子の老後資金を、投資の魔力に負けて目減りさせてしまったケースを紹介しよう。
「現役時代は職業柄、手を出しませんでしたが」
と言うのは、70代の元団体職員である。
「退職時、退職金とは別に、『貯蓄型生命保険』から1千万円が戻ってきたのを機に、思い切って“投資デビュー”してみたんです」
対象は株とFX。株には600万円をつぎ込み、銀行、自動車、百貨店、そして東電、東芝、ソニーなど、「手堅い」とされるところばかりを購入してみた。
しかし――、
「買った後に東日本大震災で東電株が120円まで下がった。さすがに売りに出し、いきなり47万円損をしたんです」
出だしで躓いてしまった。それ以降は値上がりと値下がりを繰り返しつつも、ここ数年の百貨店、地銀株の下落が響き、現在のところの評価額は466万円。マイナス134万円の「2割減」だという。
「FXでも損を出しています。今となっては退職金に手を付けなかったのが救い。これで退職金も、となっていたらぞっとしますね」
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