美川憲一、井上陽水、研ナオコが芋づる式に挙げられた昭和芸能界の麻薬汚染

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ベッドに裸の女が

「警視庁では、荏原署がポルノ女優からの突き上げ捜査で錦野を逮捕。また保安2課が、マリファナパーティの参加者から陽水を割り出した。長崎県警佐世保署は、大麻の供給源になっていたジョーから内田、美川へと捜査を広げた。一方、マトリは東京で、研を取り調べた後、研に大麻を譲渡したとして内藤を逮捕しました」(元スポーツ紙記者)

 元麻薬Gメンの高濱良次氏は、大阪で桑名正博の捜査にあたった。

「ある捜査員が、桑名が阿倍野区の実家でマリファナパーティを開いたというネタを取ってきました」

 そこで、桑名が大阪でコンサートを開いたタイミングで着手することに。

「前夜のうちに実家に帰ったことを確認し、翌朝、十数名で踏み込みました。桑名の自室に入ると、ウォーターベッドにお持ち帰りしたであろう若い女性が裸で寝ていましたよ。たまたまトイレから出てきた桑名は、私たちの姿を見て仰(の)け反っていた。薬物は微量しか見つかりませんでしたが、その後の捜査で証拠隠滅を図っていたことを突き止め、逮捕しました」

 当時、芸能人の薬物捜査は荒かったと高濱氏は語る。

「いまは、聴取されたと噂が広まるだけで致命傷になります。しかし、当時はまだコンプライアンス意識が高くない時代。押収した薬物が微量でも在宅で捜査を進め、書類送検後に起訴猶予というケースもあった」

 前出の石川氏も時代の違いを強調する。

「彼らは、みんな後に復帰できたでしょう。先日、美川が、ピエールの逮捕を受けて自分の体験を“どん底から這い上がってきた”と偉そうに言っていましたが、彼が復活できたのは時代のおかげです」

 薬物一つとっても、昭和は大らかな時代だったのだ。

週刊新潮 2019年6月20日号掲載

ワイド特集「『令和』に踊る『昭和』の影法師」より

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