「#KuToo」石川優実さんが勤務先を突き止められ退職に追い込まれても潰れない理由
好きでやった金髪が武装の効果も生んだ
大先輩である作家の雨宮処凛さんは、一時期ロリータファッションを身にまとっていた。バンギャル(ヴィジュアル系バンドの熱狂的な女性ファン)であったことも大きいが(バンギャルにはロリータファッションを好む人が多い)、彼女の場合、セクハラ対策だった。
作家デビュー後、出版社のお偉いさんからセクハラされることが多く、どうすればセクハラされないか考えた末、たどり着いたのがロリータファッションだったと著書に書かれていた。私自身、ロリータファッションは可愛いと思っているが、大半の男性はその個性的過ぎる格好が珍妙に見え、ちょっかいを出しづらくなる。これは、武装である。
昨年の冬から私は金髪にした。このイメチェンに特に意味はなく、髪色の指定がある仕事ではないし、ファッションの系統も変えたから金髪でもおかしくないし、いっちょ金髪にでもしてみるか、くらいのノリでブリーチした。
そうすると、思わぬ副産物が舞い込んできた。満員電車で男性から蹴られない、コンビニの長いレジの列で後ろの男性から舌打ちされない、厄介なナンパに遭わないなど、男性からの迷惑行為が激減したのだ。好きでやった金髪が武装の効果も生んだ。
高いヒールを履いている女性は気が強そうに見えるし、ロリータファッションは不思議ちゃんに見えて気が引けるし、金髪は一般常識のなさそうな怖い女に見えているのかもしれない。
今、私は好きで金髪にしているが武装も兼ねている。パンプスにしろロリータファッションにしろ金髪にしろ、今後、武装が外れ、ただ「自分が好きだからやっている」という形になる社会を望む。
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