学習よりも機械翻訳 “機械様”に読みやすい日本語(古市憲寿)
高校1年生の夏休み、英語の宿題に薄いペーパーバックを渡された。100ページにも満たない、映画「レインマン」のノベライズだったと思う。今から思えば何てことのない難度のはずなのだが、当時の僕は途方に暮れていた。いくら薄いとはいえ、英語だけで本を1冊読み通すなんてできるのかと。
そこで頼ったのがパソコンを使った機械翻訳だ。しかし2000年当時の性能は惨憺たるものだった。苦労して全文をソフトに打ち込んでも意味不明の日本語にしかならない。結局、辞書を片手に自力で英文を読み通すしかなかった。...