「なつぞら」出演の貫地谷しほり、「スパイラル」で共演・玉木宏に頭が上がらないワケ

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朝ドラで認められた2人

 貫地谷がその名を広めたのは、田舎の女子高生がビッグバンドを組んでジャズを演奏するという青春映画「スウィングガールズ」(04年)だ。その後、07年のNHK朝ドラ「ちりとてちん」で、それまでのヒロインとはタイプがまったく異なる、心配性でマイナス思考のヒロインを演じ、共演の渡瀬恒彦(1944~2017)から「女優になるために生まれたような子」と評された。

 そんな彼女と玉木の共通点とは?

「玉木さんが注目されるきっかけとなったのが、男子高校生がシンクロナイズドスイミングを発表することになって発憤する青春映画『ウォーターボーイズ』(01年)。監督・脚本は矢口史靖(52)で、その後の女子高生版と言える『スウィングガールズ』と同じなんです。そして玉木さんはその後、03年のNHK朝ドラ『こころ』でヒロイン(中越典子[39])が恋心を抱く花火職人を演じたことで、人気俳優となりました」(前出のドラマプロデューサー)

 そんな2人がどこで接近したのだろうか。

「いくつかのドラマで共演していますが、14年の元旦に放送されたNHK初のフル4Kドラマ『桜ほうさら』がよく知られています。このドラマの完成披露会見に出席した彼女は、感極まって泣き出してしまったんですが、この時に支えとなったのが主役の玉木さんだったそうです。朝ドラ以降、彼女は仕事には恵まれていたのですが、主役からは遠ざかっていたので、このままでいいのか迷っていた。朝ドラから数年を経て女優で行くか、バラエティで行くか道が分かれますからね。彼女は悩みが高じて、何を演じても感情が動かないという状態にまでなってしまったそうです。何度演じても上手くいかず、何時間もつきあってくれたのが玉木さんで、演技面、精神面で助けられたのをいまも恩義に感じているようです。『スパイラル』でも、貫地谷の玉木に対する信頼は絶大で、はたから見ていると“彼女が恋心を抱いているのでは?”と見えるほどだったそうです。玉木さんも売れるまではバイトで食いつないだという苦労人。面倒見がよく、性格がいいことで知られていますからね」(同・ドラマプロデューサー)

 探してみると、その思いを貫地谷は語っていた。

「実は、ご一緒させていただいたまた別の作品で、私が何度もやっても上手くできない場面があったんですけど、玉木さんは2時間もそのワンシーンに付き合ってくださったんです。恩返しではないですけど、今回は少しでも玉木さんのお役に立てたらいいなと思っています」(ドラマBiz公式ホームページより)

 さらに彼女がCM出演していた薬剤メーカーのページでは、このように語っている。

「一度、自分の感情が死んでしまったんじゃないかという時があって、まったく感情が来なくなってしまったんです。『あれ?私の感情、どこに置いてきてしまったんだろう?』っていう状況になって、誰にも声もかけられたくないし、慰めもほしくない。とにかく自分に悔しくて一人で泣いて…という日々を過ごしていたら、トラウマみたいになっちゃって。ほかの作品に入っても『このシーンもできないかもしれない』なんて思うようになって、どんどんつらいループに入ってしまったんですね。で、ある日、よく知っている方々とお仕事をした時に、突然ぽんと出てきたんです、感情が。その時『あ、私、まだ持ってたんだ!』と思ったら感動してしまって。いま思い出しても、ちょっと泣きそうなんですけど」(第一三共ヘルスケアのホームページより)

 まさに女優生命の危機を救ったのが玉木らしい。

「現在、『なつぞら』ではヒロインの先輩として出演中ですが、朝ドラ100作の記念作に歴代のヒロインが呼ばれる中でも、彼女は重要な役を演じています。もともと芝居の評価は高い上に、玉木のアドバイスも自信となっているのではないでしょうか。主役でなくても、十分に存在感はありますから」(前出のドラマプロデューサー)

週刊新潮WEB取材班

2019年6月25日掲載

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