元チャンプ「柴田国明」が鳴らす名門ヨネクラジム再興のゴング
ボクシング界の名門「ヨネクラジム」が54年の歴史を閉じたのは一昨年のこと。令和の時代を迎えたいま、米倉健司会長の名を、昭和のボクシングを、世に伝えていきたい――。ジム第1号の世界王者、柴田国明氏(72)は、そんな思いで新たに活動をはじめたという。
柴田氏のほか、ガッツ石松に中島成雄、大橋秀行、川島郭志。世界王者5人が輩出したヨネクラジムは、1963年(昭和38年)に産声をあげた。それから7年後、柴田氏が世界王者となり栄光の歴史がはじまる。
米倉会長は“チャンピオンメーカー”となっても、「オレは拳闘屋」と口にして現場に立ち続けた。が、2017年夏、ジムを閉鎖。高齢のために選手を指導できなくなったことが理由だ。現在85歳。拳闘と無縁の生活を送っているという。
そんな米倉会長を、「オヤジ」と慕い続けている柴田氏。彼は世界タイトルを奪取すること3度、フェザー級とジュニアライト級(現在はスーパーフェザー級)の2階級制覇も達成。当時はまだ珍しかった海外での世界戦を2回も制し、マスコミからも注目された。
「それはすべて、オヤジのおかげだと思っています」
と、柴田氏が語る。
「その恩返しの意味でも、俺はオヤジの名前を永遠に引き継いでいきたいんです。オヤジは“一代限り”と言っていたので、名称を含めて、ヨネクラジムそのものは復活させられませんが」
東京は目白のヨネクラジム跡地には、いま、マンションが建っている。
[1/2ページ]