NHK「あさイチ」が大地震の翌日、のん気に腰痛企画を放送 民放からは怨嗟の声

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 新潟県で最大震度6強、山形県で震度6弱を観測した「新潟・山形地震」から一夜が明けた6月19日の放送を巡り、民放各局からNHKに対し、怨嗟の声が上がっているという。やり玉に上がっているのは、朝の情報番組「あさイチ」だ。

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 とある民放のプロデューサーが言う。

「19日の朝は、各局とも当然のように、災害報道に切り替えました。しかし『あさイチ』は、冒頭に地震のニュースを入れ込んだだけで、予定通り“ビックリ!腰痛の新常識”を流し続けました。もうビックリというよりも、呆れましたよ。公共放送が何をやっているんですかね」

 確かにこの日の「あさイチ」は、番組冒頭の10分間、地震関連のニュースを放送し、残りは通常の放送だった。もっとも、今回の地震は震度6強という揺れは大きかったものの、不幸中の幸いにして死亡者は出なかった。

「それでも放送するのが、国から放送免許を与えられたテレビ局の矜恃というものです。確かに被害は大きくはありませんが、現地では地盤が緩んだ場所に雨が降り続いており、二次災害の危険もあったのですから。『あさイチ』の近江友里恵アナだって、ニュースから切り替わるときに、『今日の「あさイチ」は放送の内容を一部変更してお伝えしていきます。また新しい情報が入りましたらお伝えしていきます』と言っておきながら、その後は何も伝えなかった。民放はどこも地震予知連絡会であるとか、地震学者などをスタジオに呼んで、時間を割いて、余震や土砂災害などへの注意を呼びかけていました。それくらいやって当然でしょう」(同・民放プロデューサー)

 念のために言っておくと、同じ8時台の民放はといえば、「スッキリ」(日本テレビ)は番組開始から1時間を地震に充てていた。「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日)は40分間、「ビビット」(TBS) も1時間。「情報プレゼンター とくダネ!」(フジテレビ)に至っては、1時間50分の放送時間すべてが地震関連の情報だった。そしてMCの小倉智昭は、最後にこう言って番組を〆た。

「今日はラジオ・テレビの欄の内容とは全く違うことをやりました。みなさん、おわかりであろうと思いますが、ご了承ください」

 当たり前のことと言わんばかりである。

「こういう時は、広告収入に頼る民放も、視聴率云々を言っている場合ではありません。にもかかわらずNHKは、ラテ欄通りの番組を生で流していました。おかげで『あさイチ』の視聴率は13・6%(ビデオリサーチ調べ:関東地区)ですよ。そこまでして視聴率が欲しいんですかね。これでは、各局が緊急放送をしているのに編成を変えない、テレ東と一緒じゃないですか」(同・民放プロデューサー)

 重大事故や事件が起こっても、頑なに予定通り放送した“テレ東伝説”として語り継がれているものには、湾岸戦争(91年1月)が開始され各局が横並びで現地の戦闘の様子を流す中、「楽しいムーミン一家」を放送して視聴率を奪ったことなどが挙げられる。もっとも、こうした伝説は「他局に比べて圧倒的に予算や人員が少ないテレ東ゆえ」とも言われている。

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