窪田正孝「ラジエーションハウス」のここがヘン! 現役放射線技師が本音で語る実情

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特殊な性癖所持者との遭遇や壮絶な現場も

 放射線科では、予約制の検査のほか、救急で運ばれてくる患者も担当する。2人に救急現場での印象的なエピソードについて聞いてみると……。

「入職して間もない若手時代、腹痛で救急に来た男性患者さんのお腹の中にスプレー缶が写っていました。おそらくは、特殊なプレイをしていてスプレー缶がお尻から奥まで入ってしまったんだと思います。実はこういうちょっと恥ずかしい事案って、結構、多いんです」(飯塚さん)

「若手は救急の現場に回されることが多いのですが、交通事故で運ばれる患者さんの対応は、やっぱり壮絶。車の事故はまだマシだけど、特にバイク事故はやばいです。レントゲンを撮るために脚を持ち上げようとしたら、皮1枚で繋がっていて、ぶらーん……なんてことも。そういう光景を何回も目にして、バイクに乗れなくなったという人もいます」(小谷さん)

 しかし2人は、「仕事がきつい」と口にしながらも、放射線技師という仕事にはやりがいを感じているそうだ。

「治療の前後で患者さんから『ありがとう』と言ってもらえたときに、やりがいを感じるし、より良い治療に向けて研究のモチベーションも上がります」(小谷さん)

「医師は医療行為全般の資格を持っているけれど、隅々まで把握しているわけではありません。そこで我々がより確実な検査方法を医師に提案したり、様々な職種の人間が専門分野で補い合うことで、持ちつ持たれつでやっています」(飯塚さん)

 仕事にかける熱い思いは主人公と同じようだが、とにかくドラマ以上に現場の実態は過酷なようだ。

取材・文/五木源(清談社)

週刊新潮WEB取材班編集

2019年6月17日掲載

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