「ひきこもりを家族だけで解決するのは不可能」と有識者が断言するこれだけの理由

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 ひきこもりを孤立から掬(すく)い上げるために、親には何ができるのか。以下は、やってはいけないNG行動と、やるべきことの対処マニュアルである。

 NPO法人「遊悠楽舎」代表理事の明石紀久男氏曰く、

「私が大事にしているのは、ひきこもっている状況を否定せず、肯定することから始めるスタンスです。ひきこもっている人も、自分がこのままでいいとは思っていませんから、現状を肯定しつつ長い時間をかけてアプローチすると、結果的に『本当はこんな部屋にいたくない』『実は家にこもって辛い思いをしたくはないんだ』という本音を言ってくれることがあります」

 ノンフィクションライターの黒川祥子氏も同調する。

「ひきこもり支援には長い時間がかかります。無理やり引き出すことはせずに、家から出たいという気持ちが湧いてくるまで待つのが大事です」

 つまり、昭和の頑固オヤジよろしく、「つべこべ言わず出てこい」は、令和の時代にはNGというわけだ。

 一方、ひきこもりを抱える親のあるべき振る舞いについて、

「家庭内暴力があったり、親を奴隷のように扱う場合は、ひきこもりの子が親に対して敵対的依存に陥っているケースが多い」

 とした上で、精神科医の片田珠美氏がこう指摘する。

「これは親に敵意や怒りを覚えながらも、依存せざるを得ない状況を指します。憎しみを解決するのは難しい。つまり『敵対的』な面はなかなか変えにくいものの、『依存』の部分は対処が可能です。できる限り依存を断ち切る。いきなり全く依存させないことはできないので、金銭的援助はしつつ、親と子が別々の家で暮らすところからスタートし、徐々に依存度合いを薄め、自立を促していくことが適切だと思います」

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