南キャン山ちゃんの感動婚 もう一人いた「運命の女」

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2人の「運命の女」が愛した、山ちゃんの真面目な姿勢

 蒼井が以前、「誰を好きか」ではなく「誰といる自分が好きか」が大切だ、とヒャダインに語っていたことが話題になった。けだし名言だと思う。そしてこの話、何も恋愛に限った話ではないのだろう。きっとしずちゃんも、山ちゃんのことが好きというより、山ちゃんとお笑いを頑張る自分がなんだかんだ言って好きだったから頑張れた部分もあるのではないか。

 オリンピックを目指そうとボクシングに命がけになった時に、山ちゃんも漫才に命がけだったことにやっと気づいたと語ったしずちゃん。15年を経てようやく互いに向き合った漫才は、初めて心から楽しいと思えたと言う。蒼井が愛した、山ちゃんの仕事に対するストイックな姿勢。その姿勢をしずちゃんもまた、理解し愛していたのだろうと思わされるのである。

「真面目にやってたらいいことがあるんやな」としずちゃんがかけてくれた言葉が印象深いと会見では語られていた。自分があれこれ立ち回ってきたおかげなんて露ほども思わず、山ちゃんの努力を一番近くで見ていたからこそ出た言葉だろう。会見でのしずちゃんの表情を見て、自分にも言い聞かせたような重たさも感じた。つくづく彼女も、真面目な女性である。そしてそんな真面目な女性だからこそ、同じく真面目な蒼井と友情を育み続けられたのだろう。「山ちゃんは調子に乗りやすいから、叱ってくれるところがいい」と蒼井を評したしずちゃんの言葉には、真面目で努力家な大人3人をつなぐ、厳しくも温かな愛情がつまっていた。

 いろいろな分岐点で、山ちゃんの人生を明るい方向に引き寄せてきた運命の女・しずちゃん。かつての険悪な仲が嘘のようだが、もちろんしずちゃんだけでなく、山ちゃんの改心や歩み寄りも大きかったことは間違いない。

 最後に、山ちゃんのいいところを一つ伝えたい。普段あんなに強烈で的確なワードを選ぶのに、しずちゃんをブスだのババアだの言わないのだ。これだけブスいじりが当たり前のお笑い界にいるのに。結婚報道後、壇蜜や菊地亜美、各局の女子アナも「山里さんはああ見えて紳士です」と声を揃えて言っていた。そういう細かな気遣いのできる人だから、運命の女が2人も彼に舞い降りたのかもしれない。

 結婚しても妬み嫉みは変わらぬエネルギー、器の小さい男で行く、と宣言している山ちゃん。私などは「テラスハウス」は、彼の意地悪なツッコミがあってこそだと思っている。奮闘する山ちゃんの姿に、しずちゃんが、蒼井優が、そしてテレビやラジオの前の人々が、また彼に微笑み続けるに違いない。山ちゃん夫妻としずちゃんの、末永い幸せとご活躍をお祈りします。

(冨士海ネコ)

2019年6月12日掲載

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