53歳2児の父は「NISA」と「つみたてNISA」どちらを選ぶべきか 専門家が教える定年後設計
NISAとつみたてNISAの違い
吉田さん:じゃあ小野原先生、ズバリNISAの口座で買ったほうがいい商品は、5年以内に利益が出せると思えるものって思っていいですか?
小野原先生:そうなんですが、といっても5年でどうなるかなんてわからないじゃないですか?
吉田さん:はい。
小野原先生:そこで使えるのが、NISAから派生した「つみたてNISA」です! つみたてNISAの期限は20年なんです!
吉田さん:おお~めちゃ伸びましたね! ちなみにiDeCoには年齢の上限がありましたが、つみたてNISAもですか??
小野原先生:あ、そこはご安心を! つみたてNISAは、20歳以上であれば年齢に上限はありませんので、吉田さんも気長にお使いいただけますよ!(笑)
吉田さん:いやぁ、この年齢になると色々気になるんです(笑)
小野原先生:そして、20年の中で少しずつ買って積み立てていくので、例えば前回学んだ投資信託は、つみたてNISAが向きますね。
吉田さん:なるほど~。
小野原先生:つみたてNISAは期間が長いかわりに、1年間で買える上限は「40万円」です。それでも月に3万円ちょっと、コツコツ行うには十分な枠かとは思います。
吉田さん:確かに。ちなみにNISAとつみたてNISAは両方やることはできるのですか?
小野原先生:いえ、残念ながらひとつしか選べないので、自分がどちらをやりたいか?を決める必要があります。
吉田さん:投資信託だったらつみたてNISAのほうがいいなって感じでしょうか?
小野原先生:そうですね、長期で使えるので適していると思います。ちなみにつみたてNISAは、その口座で買えるものが、貯蓄系の商品に制限されているんです。
吉田さん:ほぅ。それって買えるものは投資信託ですよね?
小野原先生:はい、投資信託ですね。しかも買えるものがちょっと制限されてるんです。投資信託の中には、運用会社が「この投資信託はいつまでやりますよ~」って、運用期間を最初から設定しているものもあるんです。「私たちはこの投資信託を10年後に終わらせますよ~」という感じで。つみたてNISAの場合、実はこういった商品って買えないんです。つみたてNISA口座で買えるものは、「運用期限がないもの」か「期間が20年以上のもの」だけなんです。
吉田さん:じゃあ前回お聞きした6千本の投資信託の山から必死に選ぶ必要はないってことですね!
小野原先生:はい、めちゃめちゃ絞られます。
吉田さん:おお! それはいいですね! 私の場合、毎月10万とか20万とか投資信託にまわすことは難しいので、毎月3万円かなって思ってたんですが、それならちょうどつみたてNISAの口座を使ってやるのがいいかも!と先生の話を聞いて思いました。
小野原先生:はい! すごくいいと思いますよ!
吉田さん:ですね!!
小野原先生:ちなみに、年利回り平均5%の投資信託を、毎月3万円ちょっと積み立てた場合、20年経つと、かかる税金ってだいたい100万円くらいになるんです。
吉田さん:ひゃ、100万円!?
小野原先生:そうなんです。積立NISAの年間上限金額40万円は、1カ月にすると33,333円、これを年利5%で20年間積み立てた場合、自分の資産は1,340万円まで増えています。このうちの運用益は550万円なんですね。
吉田さん:すごい。
小野原先生:通常なら、ここから20,315%の税金がかかるので、111万円は税金として引かれるので、資産は1,340万円から実際には1,229万円になります。ですが、つみたてNISAをつかっていると非課税なので、1,340万円丸々受け取れるのです!
吉田さん:めちゃくちゃ大きいじゃないですか! これは始めなきゃ!(笑) 非課税って、長期で考えると思っているより大きいですね。
小野原先生:20%は大きいですよ。つみたてNISAを使ったかそうでないかで、20年後に約100万円の差が生まれると思ったら、使ったほうがいいですよね! お金と上手に付き合う上で、知識ってすごく大事です!
〈今日の学び〉
・NISA(ニーサ)は商品ではなく非課税の口座のこと。
・NISAとつみたてNISAの違いは「投資額の上限」と「非課税期間」。
・月3万円程度で投資信託を考えるなら、つみたてNISAは活用すべし。
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