「助けてください」 週刊新潮が報じていた「殺人老人ホーム」入居者からのSOS
藁にもすがる思いで介護付き有料老人ホームに入れたところが、わずか1カ月で暴行死では、家族の悲嘆と怒りは察するに余りある。実は、事件直前にこのホームを見学していた会社員は、入居者の発するSOSを目の当たりにしていた。
サニーライフ――。陽が当たる暮らしが待っているかと思えば、とんでもなかった。5月22日、元介護職員の根本智紀(28)が警視庁に逮捕されたが、
「4月3~4日、根本はサニーライフ北品川で夜勤でしたが、夜中、防犯カメラに根本の姿が映っていたんです。82歳で右半身が不自由な黒沢喜八郎さんが、仰向けの状態で部屋から出てくると、根本は足をつかんで強引に部屋に引きずり込んでいました。黒沢さんは5日に亡くなる前、“若い男に蹴られた”と言い残していて、暴行の程度は3階からの転落に相当するそうです」(社会部記者)
黒沢さんはその1カ月前に入居したばかりだったという。SNSを見るかぎり、一時はホスト業に手を出し、趣味はパチンコという男の介護を受けたばかりに、痛ましすぎる人生の閉じ方を強いられたわけだが、
「起こるべくして起きた事件だと思います」
と語るのは、埼玉県内のサニーライフに勤務していた元看護師である。ちなみに、同じ運営会社が営むサニーライフは全国に120を数え、廉価路線を突っ走っているのだが、
「私がいた施設は、入居者100人に看護師が夜を除いて4、5名、ヘルパーが10~12名いましたが、ヘルパーのうち7、8人は中国や東南アジア出身で、日本語は片言。会話ができる日本人に仕事が集中し、結果、日本人スタッフは激務に耐えかねて人格が歪んでいきました。しかも、研修を受けさせずに実践に投入するので、ヘルパーにかかる負荷が大きく、ストレス発散の方法の一つとして入居者への暴力が始まるのです。私自身、入居者を虐待する場面を目撃しています。また、人件費を削減するあまり人的ミスが多発していて、配薬ミスやアレルギー対応食の配膳ミスなども多発していました」
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