解散反対「公明党」が泣いてすがる菅官房長官と維新のパイプ

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 季節外れの猛暑となった5月下旬の永田町。そこに吹くのは、涼風どころか生臭い“解散風”である。

 消費増税延期、憲法改正、北朝鮮問題……と、解散の大義が現れては消え、消えては現れを繰り返す毎日に、国民は早くも食傷気味。ところが、

「最近は、妙にリアルな怪文書まで飛び交う始末。その内容は、6月19日に首相が消費増税への懸念を示し、7月1日の日銀短観を見るために7月5日まで国会の会期延長を表明。5日に衆院を解散し8月4日に衆参同日選を行うというもので、解散風は日増しに強くなっている」(政治部記者)

 一方、解散のためには越えなければならないハードルも残っているという。それは、

「公明党の存在ですよ」

 先の記者が続ける。

「公明党は、安保法制の改正以降、平和主義を謳う支持母体の創価学会の組織がボロボロになってしまっている。今、解散されれば、議席を減らす可能性のある公明党は、党と学会の2ルートで官邸に解散反対を掛け合っているのです」

 さらに、

「統一地方選で、常勝関西とよばれた大阪の公明党が維新の会に完敗。次の衆院選では、公明が議席を持っている大阪の四つの小選挙区に刺客を立てると維新に脅されたのです」

 その大阪で、5月25日に公明党は立場を180度転回し、都構想に賛成。しかし、

「公明党には昨年の暮れ、水面下での合意書を維新に暴露されたトラウマがあり、今回は書面を交わすことを避けた。ところが、それによって、維新が刺客を立てないという確約も取りそびれてしまったのです。公明党は、菅官房長官と維新とのパイプを利用して、刺客を立てないという確約を取り付けなければ、首を縦に振らないでしょう」

 公明党にとっては首筋の寒い“解散風”なのだ。

週刊新潮 2019年6月6日号掲載

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