トランプ大相撲観戦、政府高官が予言した「座布団投げが起こらない取組」と「鶴竜の忖度」
不自然な取組
ここで、千秋楽前日、どのような取組によって朝乃山の優勝が決まったのかを振り返っておこう。
13日目を終えた時点で単独トップに立った朝乃山は11勝2敗、追う鶴竜は10勝3敗。先に土俵に上がった朝乃山の相手は豪栄道である。
問題の一番をベテラン相撲記者に解説してもらうと、
「2人は右の相四つ。立ち合い直後に豪栄道が左上手を取り、朝乃山は上手が取れないまま。こうなると普通は豪栄道が圧倒的に有利。それなのに豪栄道は先に攻めようとしない。そこで朝乃山は左からおっつけながら前へ出て、左上手を取り、寄ろうとする。豪栄道はその段階でようやく反撃に出ますが、時すでに遅し。朝乃山の左上手投げで寄り切られてしまうのです」
先に有利な体勢になったのに攻めなかった豪栄道の取り口について「不自然」と表現した上で、このベテラン相撲記者は指摘する。
「豪栄道としてはこの一番で自分が負け、結びで鶴竜が負けたら千秋楽にもつれこむことなく朝乃山の優勝が決まる、というのがちらっと頭をよぎったかもしれませんね」
そして、結びの一番は鶴竜対関脇・栃ノ心。栃ノ心にとっては大関復帰がかかった一番だった。
「鶴竜は相手をよく見ないで頭から突っ込んでいる。栃ノ心は左に変わりながら鶴竜をはたいて勝利。限りなく怪しく、不自然な取組でした」(同)
角界関係者に聞いても、
「本来、力士は絶対に勝ちたい一番では、自分のタイミングで立ち合いたいもの。が、鶴竜は先に土俵に片手をついて“待ち”の体勢を取った上で相手のタイミングで立ち合い、敗れたのです。あんな取組になった背景には、協会への忖度があったのかもしれません」
千秋楽の豪栄道との取組では、立ち合いの際に先に土俵に手をつくこともなく、前日の敗北が嘘のような圧勝を収めた鶴竜。
「その瞬間、トランプ大統領の後ろにいたSPたちが一斉にザザッと立ちあがった。勝負が決まったらすぐさま立ちあがって防御する、という座布団投げ対策のオペレーションが事前に取り決められていたのでしょう」(先の全国紙デスク)
座布団投げ対策のオペレーション。言葉の響きはいささか滑稽だが、それが国の威信をかけた真剣勝負だったことは紛れもない事実なのである。
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