「半沢直樹」は7年で復活、10年以上経って続編が制作される連ドラといえば?

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新作で失敗するより復活で

 だが、今年は「半沢直樹」よりも長いスパンを開けて復活するドラマが2本もあるのだ。

 年内放送と発表されているのは、オダギリジョー(43)が主演の「時効警察」(テレビ朝日系)の第3シリーズだ。最初に放送されたのは06年1月期で、翌年4月期には「帰ってきた時効警察」として復活。時効が成立した未解決事件を“趣味で”捜査するコメディドラマだが、実社会では10年4月に殺人などの凶悪犯罪の公訴時効が廃止されたことで、新シリーズはないと思われた。しかし、それ以前に時効が成立した事件は残っている、と12年ぶりの復活が決定したのだ。

 さらに10月期には阿部寛(54)が主演の「結婚できない男」(フジテレビ系)は、何と13年ぶりに復活する。第1シリーズ放送時(06年7月期)は、本当に独身だった阿部(当時42歳)も放送の翌年に結婚。「結婚できない男が結婚できることになりましたので……」と会見を開いた。結婚できたのに、「結婚できない男」を再び演じさせようとするのはなぜだろうか。

 上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)が解説する。

「視聴者のテレビ離れが進むいま、二桁の視聴率が取れるドラマは1クールに2~3本しかなく、7~8%も取れれば御の字です。そんな中、下手な新作ドラマで冒険して大失敗するよりも、テレビ局にはある種の保険があったほうがいいわけです。『結婚できない男』も『時効警察』も10年以上経っているので、当時とは視聴者層が違う。『小学校のころに聞いたことがあるような……』という世代にとっては“新製品”と思えるでしょうし、現在のメイン視聴者層である50代、60代にとっては懐かしく、ある程度の計算ができる。上手くいけば二桁も狙えるかもしれません。現在、テレ朝が日テレの三冠王を奪おうという位置になったのは、『相棒』や『科捜研の女』などの長期シリーズの成功があってこそ。それを羨む局は、今後、過去の人気作をどんどん復活させていくかもしれません。そういえば『ショムニ』(フジテレビ系)や『コード・ブルー』(同前)も長いスパンを空けて復活したように思います」

 江角マキコの「ショムニ」は98年、00年、02年と第3シリーズまでテンポよく放送された。03年に特番が放送され、10年を経て13年に第4シリーズが放送されている。

 またヤマピーの「コード・ブルー―ドクターヘリ救急救命―」は08年に第1シリーズ、翌年に特番を挟んで、10年に第2シリーズ、7年をおいて17年に第3シリーズが放送された。

「フジはヒット作が多かったから、いい資産運用ができるかもしれません。とは言っても、挑戦ではなく、後ろ向きな話ですけど……」(同・碓井教授)

 TBSにしてみれば、7年経っても「半沢直樹」は色褪せない自信作なのだろう。

週刊新潮WEB取材班

2019年6月4日掲載

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