イケメン演歌歌手が続々デビュー、浅草の老舗CD店を救った“演歌男子ブーム”の裏

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「演歌男子。」

 若手イケメン演歌歌手ブームのきっかけとなったのは、2014年1月12日からスタートしたCS放送歌謡ポップスチャンネルの「演歌男子。」だ。演歌男子の定義は、抜群の歌唱力に加え、端正な容姿、ユニークなキャラクターとなっている。若手演歌歌手3人がカフェでフリートークするバラエティ番組。

「イケメン演歌歌手がいないと、うちは潰れていました」

 と語るのは、東京・浅草の演歌専門のレコード店「音のヨーロー堂」4代目店長・松永好司氏。

「『演歌男子。』のプロデューサーは、石田翼さんというモデルのような女性なのですが、彼女は演歌のことはほとんど知らなかったのですよ。でも、歌手たちをみると、みんなイケメンじゃんということで、ビジュアルからいってみようということになった。今までの演歌では考えられない発想でした。イケメン歌手たちはカメラ目線で、彼女に語りかけるかのように、自分の趣味とかプライベートなことを喋る。それが女性の心をとらえた」

 イケメン演歌歌手のファンは、若い女性だけでなく、中高年女性まで広がっているという。

「昔、沢田健二や西城秀樹などがファンだった中高年の女性は、今でもイケメン歌手をみてはしゃぎたい。でも、ジャニーズのコンサートに出かけていく勇気はありません。コンサートで騒いでいると、なんだこのおばさん、と言われてしまいますからね。ところが、演歌だと、自分たちも受け入れてくれるし、昔流行った曲を歌ってくれる。それで人気に拍車がかかるわけですよ」(同)
 

 2013年11月に「さよならは涙に」でデビューした徳永ゆうき(24)は、異色の存在である。

「彼は、米津玄師の『Lemon』をカバーして評判になっていますが、演歌のカテゴリーを広げましたね。新浜レオンは、ビーイングの倉木麻衣のチームが乗り出していて、メジャー展開していくでしょう。本当に素晴らしいのは辰巳ゆうと。彼の歌は本物です」(同)

 演歌男子を盛り上げているのは、4人組歌謡グループの純烈だ。

「純烈は、お客さんとの距離が近く、彼らのキャンペーンに行けば、握手だけでなくハグされるチャンスもあります。だから50代以上の女性ファンは、キラキラしていますよ。女性は一回ハグされると、寿命が伸びるそうです。健康にも一役買っているわけです」(同)

週刊新潮 2019年6月4日掲載

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