“3500万円空き巣被害”の高須院長、美容外科医が他の医者より圧倒的に儲かる理由
美容外科医の高須克弥氏(74)がリッチマンであることを疑う者はいないだろう。院長を務める「高須クリニック」がテレビ番組のスポンサーになっているほか、女子体操の宮川紗江選手(19)や女子アイスホッケーチームの御影グレッズ(北海道)を資金面で支えているし、被災地などへの寄附も頻繁に行う。5月4日には愛知県日進市にある高須氏の別宅に3人組の空き巣が入ったが、被害のスケールも大きかった。盗られたのは7キロの金塊(約3430万円相当)。なぜ、高須氏はリッチなのか? 美容外科医が儲かる理由とは――。
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7キロもの金塊が別宅内に置かれていたのも驚きだったが、それを盗られた高須氏の反応にもまた驚かされた。「命取られなくてよかった。もうけた」(本人のツイッターより)。嘆きや憂いなく、むしろ犯人たちと出くわさなかったことを喜んでいるようだった。
そもそも高須氏に限らず美容外科医は高収入。厚生労働省が2年に一度実施する「医療経済実態調査」の2017年度調べによると、病院(入院用ベット数20以上)の医師全体の平均年収は約1488万円で、診療所の医師全体(同19以下)は同約1252万円だが、美容外科医に限ると1500万円を軽く超えるとされる。
事実、医師の転職用サイトには、高給を約束する美容外科医院の求人がずらりと並ぶ。「年収1800万~4000万円」(A医院)、「年収2500万~5000万円」(B医院)、「年収2500万~1億円」(C医院)――。いずれも目がくらむような条件だ。
ほかの診療科の医院とは条件がまるで違う。たとえば、内科の求人は大半が年収1000万円台。ほかの診療科も年収1000万円台から2000万円台が中心だ。どうして同じ医師でありながら、美容外科医は収入面で恵まれているのだろう?
医学博士で山野医療専門学校副校長の中原英臣氏に尋ねたところ、その理由を次のように解説してくれた。
「美容整形は健康上の理由で行われるわけではないので健康保険が適用されず、自由診療だからです。保険診療の場合、それぞれの病気ごとに検査や治療の範囲が国から決められており、その中で患者を診なくてはならず、診療報酬も一律。やることが決められていて、やったことの報酬もまた規定されているので、保険診療を行う医師の収入には大きな違いが生じません。そして現役世代の患者さんは診察費のうち3割を負担します。
一方、自由診療である美容外科には治療費に制約がありません。費用の上限はないし、同じ治療なのに費用が医院によって違ってもいい。だから、ほかの診療科の医師より高収入を得られやすい。その費用は患者さんが全額負担します」
つまり、保険診療なら、どんな病院にかかろうが、支払う費用は基本的に同じ。たとえば、虫垂炎(盲腸)の手術を受けた場合、執刀が名医であろうが、そうでない医師であろうが、治療費は基本的に一緒なのだ。だから、医師の報酬にもそう違いが生じない。
一方、美容外科医院は、治療費を自由に決められる。高い費用を設定し、それを患者が納得して払えば、おのずと報酬も高くなる。
ある医院の場合、顔のエラの骨を削ったり切ったりする「下顎角形成術」を130万円に設定している。難易度の高い施術とされているようだが、まるで軽乗用車の価格だ。ちなみに、この医院では84回までの長期ローンを用意しており、まさに軽自動車並みなのである。
また、同じ施術でも医院によって費用はさまざま。メスを使わずに一重まぶたを二重まぶたにする「埋没法施術」の場合、3万円以下(片側)で済むところもある一方で、その2倍以上の8万円(同)に設定しているところもある。
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