日米中ロの首脳をストーカーする文在寅、韓国国民の前で虚妄の“外交大国”を演出

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全方位ストーカーで皆が迷惑

 周辺各国に仕掛ける文在寅大統領の全方位ストーカー外交。「米朝間での仲介役」を演じるという背伸びが原因だ。

 米朝の情報機関が首脳会談の開催で合意した時、面子を失うことを恐れた韓国が「仲介したフリ」をさせてくれるよう米国に頼み込んだ。

 韓国に会談を邪魔されることを懸念した米国はその役割を演じることを許した。だが、韓国の実力はすぐに馬脚を現わし、北朝鮮からは「使い走りもできない」とバカにされるに至った(デイリー新潮「金正恩が文在寅を“使い走り以下”の存在と認定 韓国『ペテン外交』の大失敗」参照)。

 そんな韓国を見て、日本も日韓首脳会談にますます消極的になった。拉致問題解決のため、韓国に「北朝鮮との橋渡し」を期待しても意味がないからだ。

 米国にとっても韓国は「いつか捨てるためのカード」でしかない。中ロが見ても、韓国は国際関係に影響を及ぼす力を一切持たない。

 周辺国からは実力をすっかり見透かされているのだが、韓国人はいまだ自分の国が大国をも仕切る外交大国と信じたい(拙著『米韓同盟消滅』(新潮新書)あとがき「中二病は治るのか」参照)。

 文在寅大統領はまだまだ「仲裁者」を演じ続けねばならないのだ。ストーカーされる側にとってはいい迷惑なのだが。

鈴置高史(すずおき・たかぶみ)
韓国観察者。1954年(昭和29年)愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本経済新聞社でソウル、香港特派員、経済解説部長などを歴任。95〜96年にハーバード大学国際問題研究所で研究員、2006年にイースト・ウエスト・センター(ハワイ)でジェファーソン・プログラム・フェローを務める。18年3月に退社。著書に『米韓同盟消滅』(新潮新書)、近未来小説『朝鮮半島201Z年』(日本経済新聞出版社)など。2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

週刊新潮WEB取材班編集

2019年6月2日掲載

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