日米中ロの首脳をストーカーする文在寅、韓国国民の前で虚妄の“外交大国”を演出
文在寅の口を封じたホワイトハウス
ホワイトハウスは6月28、29日に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の前後にトランプ大統領が韓国も訪れ、文在寅大統領と会談すると5月15日に発表した。
韓国の「物乞い」に根負けしたのだろう。ただ、意味ある会談になると期待する外交関係者は皆無だ。主要議題となるのは北朝鮮の非核化だ。トランプ政権は経済制裁を続ければ、北朝鮮は音を上げると踏んでいる。
これに対し文在寅政権は体制が揺れる金正恩(キム・ジョンウン)政権を助けようと、援助を画策する(デイリー新潮「文在寅は金正恩の使い走り、北朝鮮のミサイル発射で韓国が食糧支援という猿芝居」参照)。
米韓首脳会談がうまくいくわけはないのだ。それどころか会談が決裂し、同盟が崩壊に向け一気に動きださないとも限らない。
4月11日にワシントンで開いた米韓首脳会談では、両大統領だけの単独会談はたったの2分間に終わった。それも両夫人が陪席するという奇妙な形式だった(デイリー新潮「米韓首脳会談で赤っ恥をかかされた韓国、文在寅の要求をトランプはことごとく拒否」参照)
ホワイトハウスは決定的な亀裂が入ることを避けるため、会談冒頭の記者団とのやり取りを引きのばして文在寅大統領の発言を封じたのである。
米政府が運営する放送局VOAが「米韓首脳会談、北朝鮮の石炭は? 中ロも突破口を模索か?」(4月13日、英語による動画、字幕は韓国語)ではっきりとそう報じた(開始6分25秒から)。https://www.voakorea.com/a/4873937.html
安倍首相にも「韓国は不快」
トランプ大統領自身も、会談する意味のない文在寅大統領と会うのは時間の無駄と考えているのに違いない。だから5月7日の電話協議で首脳会談を持ちかけられた際も「在韓米軍の前で会う」と言ったのだ。訪韓するのなら米軍を激励する旅にしたい。そのついでに会うのはやぶさかではない、という意味だ。
安倍首相に「『来てくれ、来てくれ』と再三にわたり訪韓要請を受けた」と語ったのも、ストーカーのように付きまとわれる不快さを思わず漏らしたということだろう。
もっとも文在寅政権としては、どんなに嫌われようと米国との首脳会談が必要だ。羅卿瑗・院内代表が指摘したように、米韓同盟が破綻しかけていることを国民に意識させないためだ。
トランプ政権は米韓同盟の廃棄を交換条件に北朝鮮の非核化を目指す(拙著『米韓同盟消滅』(新潮新書)第1章「離婚する米韓」参照)。
親北の文在寅政権にとっても米韓同盟の廃棄は願ってもない。ただ、そう言い出せば保守に加え、普通の韓国人も死に物狂いで反対するであろう。だから今現在は「米国との固い絆」を演出して見せるのだ。
一方、トランプ政権も今現在は「韓国との同盟」を重視するフリをせざるを得ない。「非核化」と交換する前に同盟が破綻すれば、取引材料がなくなってしまうからだ。このため、渋々にしても、訪韓要請を受けたのであろう。
もちろん米韓の「かりそめの同盟堅持」は、いずれ破綻する可能性が高い。文在寅政権が北朝鮮の非核化を、体を張って阻止するからだ。
米韓同盟を廃棄すれば米国の核の傘も消滅する。自前の核を持たない限り、韓国は北朝鮮の核を「民族の核」として頼りにするしかなくなるのである(拙著『米韓同盟消滅』(新潮新書)第1章「離婚する米韓」参照)。
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