草刈正雄が語る「脇役ばかりの不遇時代」と「スランプを救った大女優の一言」
三つの試練がもたらした「草刈正雄」復活の日(2/2)
現在放送中のNHKの連続テレビ小説「なつぞら」で“おんじ”を演じるなど、ここにきて草刈正雄(66)に再び脚光が集っている。女手一つで育てられた草刈青年は、工場勤務、訪問販売員を経たのち、“月5万円”の稼ぎを求めて芸能界へ。赤貧洗うが如き環境を脱し、モデルから俳優への道を切り拓いたのもつかの間、交通事故を起こしてドラマを降板――。本人が「生き抜くヒント」を赤裸々に語る。
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〈20代半ばにして、スターへの階段を一気に駆け上がった草刈。エランドール賞新人賞を獲り、南極ロケを敢行した「復活の日」(80年公開)や、一匹狼のレーサー役を演じた「汚れた英雄」(82年公開)などのヒット作でも主演を張る。「二枚目俳優」の地位を確固たるものにしたが、当の本人は長き苦悩の始まりだったと明かす。喝采を得たにもかかわらず、三たびの試練が彼を襲っていたのである。〉
そうやって役者の仕事をするうちに、「二枚目俳優」と呼ばれることに辟易というか、率直に言って嫌だと思うようになりました。
あの頃は、ショーケンこと萩原健一さんと共演する機会に恵まれ、こんな芝居をする人がいるんだとビックリしたり、田中邦衛さんのような、少しクセのある俳優さんに物凄く憧れて。自分はカッコイイ役じゃなく崩した役をやりたい。普段の仕事でも、そういう傾向が強くなっていったんですね。二枚目をやらせて貰うこともありがたいんですが、俳優としては伸び悩んでいた時期だったんです。
求められるがままの役柄を演じ続けるという方法もあったと思います。だから、今となってはどちらがよかったのかは分かりません。けど、迷いが生じて周囲の皆さんに迷惑をかけてしまったのは事実です。
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