米軍の電子偵察機が韓国上空で異例の飛行、北朝鮮軍で何かが起きている?
北朝鮮空軍機に異常接近されたことも
北朝鮮が寧辺(ニョンビョン)で原子炉を再稼働したうえ、弾道ミサイル発射の可能性が高まっていることから、監視活動を強化するため米本土から在日米軍基地にRC-135Sが派遣された。この時の監視態勢は1998年のテポドン発射時以来の態勢だった。
2003年3月2日、北朝鮮空軍のMiG-29戦闘機2機とMiG-23戦闘機2機が、RC-135Sに接近した。 このうち、MiG-29は米軍機に約15~120メートルの距離まで接近した。両軍機の異常接近は1969年、北朝鮮軍戦闘機が同空域で米海軍情報収集機EC-121を撃墜(乗組員31人全員死亡)して以来のことだった。
北朝鮮空軍機は2日午前10時48分(日本時間)ごろ、北朝鮮東岸・元山(ウォンサン)沖約240kmの日本海上空で異常接近し、22分間にわたり米軍機を追尾した。また、4機のうち1機はミサイル発射前に使用するレーダー(火器管制レーダー)を照射した。このレーダーの使用は非武装の相手を威嚇し、警告を与える意味があると同時に、撃墜する意思があることを意味する。
朝鮮中央放送は事件前日である1日、軍事消息筋の話として、「RC-135S戦略偵察機が2月21日から毎日のように、わが国の舞水端(ムスダン:テポドン発射基地の場所)と虎島(ホド)半島の間の東方領海上空に不法侵入し、重要対象物に対するスパイ行為を敢行した」と伝えていた。このほか、U-2やEP-3、E-3、RC-12、RC-7Bなどの米軍偵察機の数、飛行時間、偵察空域が同放送などによって詳細に伝えられた。
北朝鮮は、毎日24時間態勢で自国の目の前を飛行する米軍偵察機をいまいましく思っていたのだ。
弾道ミサイル発射時はミサイル追跡艦も寄港
弾道ミサイルの発射兆候がある場合、米海軍のミサイル追跡艦「ハワード・O・ローレンツェン」が佐世保に補給などのために寄港する。この船と前述したRC-135Sが在日米軍基地に移動してきた場合は、かなりの確率で弾道ミサイルが発射される。
今回の2機のRC-135から話がそれてしまったが、インターネットから得られる米軍に関する情報でも北朝鮮軍の動向を、ある程度推測することができるのだ。いまのところ一般報道で北朝鮮軍の動向に関する記事はないが、異常な動向があっても報道されないことはよくあることだ。
仮に北朝鮮軍に大きな動きがあっても、文在寅(ムン・ジェイン)政権は公表しないだろう。
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