佐藤浩市「空母いぶき」炎上騒動、総理大臣役経験アリの石坂浩二はどう見たか?
橋田壽賀子が考える“政治的”
脚本家の橋田壽賀子さんは終戦を20歳で迎えた。
「役者さんが政治的な主張をされるのは結構なことだと思いますよ。私もドラマで時に政治のゆがみを書いてきたつもりですから」
としてこう述べる。
「ただねえ、政治的なメッセージをそのままドラマに持ち込んだことはないわね。いきなり政治を語るのではなく、もっと自分のわかる話、生活に根差した話を書いていって積み重ねの上にそれを描くの。私が書くのは平凡な家庭だけ。普通の家庭に政治がどのように忍び込んでくるのか、狂わせるのかというところに興味がある。身の丈に合ったやり方なのよ。ドラマに絡めて政治そのものを大上段に語ったことはありません」
佐藤の発言についても、
「嘔吐でも下痢でもどっちでもいいんじゃないですかね。お受けになられた以上、口からでもお尻からでも何でもおやりになった方がよろしかったのでは」
と笑うのである。
確かに“粋な芸”とはさりげなく見せるもの。事前に大仰に“大義”を述べるのではなく、劇場を出た後で観客がふと役者のそれに気付く――それがホントの「職人技」ということか。
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