論点たっぷり「丸山発言」(KAZUYA)
お酒を飲んで語り合うのはとても有意義なことですが、お酒に飲まれると思わぬ失敗をしてしまうこともあります。最近も日本維新の会の丸山穂高衆院議員がお酒で日本中、いや外国をも巻き込む大事件を引き起こしました。
5月11日、ビザなし交流訪問団の一員として北方領土の国後島を訪問した丸山議員は、現地での公式行事を終えた後、記者が元島民の訪問団長にインタビューをしているところに割り込み「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」などと質問します。団長は「戦争するべきではない」と一貫して答えます。当然インタビュー中ですから録音があり、その後世間に公開されて更に大問題になったと。
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丸山議員は酒に酔っていたといい、決まりに反して友好の家の敷地から出ようとするなど、一連の発言と行動はやはり問題だと言わざるを得ません。
その後、丸山議員は謝罪と発言の撤回をします。当初、日本維新の会の松井代表は「言論の自由」としていましたが、後に党として丸山議員に除名処分を下しました。思いの外世論が盛り上がったので対応が変わったのかとすら思えてきます。
領土問題は戦争するレベルの大変動がないと中々動かないのは事実でしょう。実際ロシアがクリミアで何をしたかを考えればわかるように、話し合いだけで領土問題が片付く事自体稀なのです。その稀な例が沖縄です。敗戦後の米国統治を経て祖国復帰を果たしました。政治の力はもちろん、祖国復帰を願って運動した沖縄県民の力が何よりも大きいのです。
一方で北方領土はソ連が不法占拠した上に島民を強制的に追い出していますから、現地での祖国復帰運動も出来ず、元島民の方々は複雑な思いを持っているでしょう。その元島民である団長に、戦争してでも取り返すかと議論をふっかけてどうなるのか? もし「戦争するべき」と答えたら、丸山議員はどうするつもりだったのか?
こういうことで問題になると、交渉を進めていた日ロ関係的にもマイナスですし、日本は再び軍国主義への道を模索しているなどという、日本人からすると突拍子もない外国勢力のプロパガンダに説得力を与えてしまいます。国会議員という立場はそれほど重要なのです。
議員辞職は否定している丸山議員に対して、維新が野党に呼びかけ辞職勧告決議案を提出しました(法的拘束力はなし)。しかし二重国籍問題を指摘されて説明を二転三転させた上に辞職もせず居座っている大問題議員には辞職勧告など出ず、丸山議員には出たというのは、本当に基準がよくわからなくなってきます。
丸山議員は外国人生活保護や外国人による医療費の未払いなどについて国会で切り込んでおり、僕はかなり応援している議員です。それだけに今回の件は残念でしかたありません。僕もお酒は大好きなので、飲まれて破滅しないように自身を戒めたいと思います。