サニブラウンがマスコミに送りつけた前代未聞の「取材規制」メール

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 日本人2人目の100メートル9秒台を記録したサニブラウン・ハキーム(20)が、記者たちの顰蹙を買っている。

 スポーツ紙デスクが囁(ささや)く。

「在籍しているフロリダ大陸上部の広報担当者から各社に一斉メールが送られてきたんですがね……」

 以下、その和訳である。

〈サニブラウンの家族の要請を受け、本人、家族、友人、中学、高校時代のクラスメートの映像は、過去放映されたものを含め、今後は放映しないよう求める。(略)応じない場合は法的措置の可能性もある〉

「海外在住なので、何か起きたら、国内の取材先は中高の関係者くらいしかいない。それを禁じられたら仕事になりませんよ」(同)

“法的措置”との脅し文句もあるが、

「法律以前に、彼に嫌われたら、今後、取材拒否されるかもしれない。6月には日本選手権、来年は東京五輪があるので、黙って従うしかありません」(同)

 なぜサニブラウン陣営はこんな取材規制を強いるのか。大げさに言えば、憲法が保障する“報道の自由”をも蔑(ないがし)ろにする愚挙である。

 メールを送った広報担当者に真意を尋ねると、

「ある放送局と彼の家族との間で起こった問題を考慮して要請しました。その局は、ある映像を、放映しないという合意があったにもかかわらず放映したのです」

 それは中高時代のプライベート映像だという。その局には抗議して謝罪させたというのだが、

「家族は同じような取材を過去にどの局に許可したか覚えていないので、“各社に要請してほしい”と私に頼んできたのです」(同)

 ならば、その映像を特定し、それに限って使用を禁止すればいい。そもそもテレビ局にだけメールを送ればいいと思うのだが。

 ちなみに、米メディアには“彼のことを報じないから”送っていないのだとか。

 担当者はこう締め括った。

「私の声明は法的な脅しでもなければ、大学側からの公式声明でもありません。もし、そのような誤解を招いてしまったのなら謝罪します。私は日本のメディアの仕事ぶりをとても尊敬していますし、報道の自由も尊重しています」

 勇み足――だったということか。来る日本選手権では、マスコミにソッポを向かれないような走りを。

週刊新潮 2019年5月30日号掲載

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