「ポツンと」絶好調のウラで、「イッテQ」の名物プロデューサー“出向人事”の読み方
日テレバラエティの王道
原因といえば、「イッテQ」で昨年5月に放送された「ラオスの橋祭り」ヤラセ疑惑だ。宮川大輔が体を張って世界の祭りを紹介する名物企画だったが、これがヤラセと報じられ、企画はいまも復活できないままだ。
「あの時に現場トップとして謝罪したのが加藤局長でした。日テレとしては、今回の人事でコンプラインス遵守という強い意思をしめたということなのでしょう。ただ、今回の人事を見ると、後任の局長は情報センター長だった方……正直言ってよく知らないのですが、報道畑だった方のようですね。ということはバラエティ、ドラマの経験がないということです。となると、他局の我々としてチャンスと見ることもできるかもしれません」(同)
日テレの日曜夜8時枠を作り続けてきたトップが子会社に去って、「イッテQ」は大丈夫なのだろうか。
「『元気が出るテレビ』の頃から、日テレは日曜夜のバラエティには、売れていなくても嫌われないタレントを起用してきました。ギャラを安くできるし、長期ロケでもスケジュールを合わせることができるからです。また、ギャラが安い分、ロケ代や制作費に回せるメリットもあります。『イッテQ』の宮川大輔とイモトアヤコは、そのツートップと言っていいでしょう。しかし、宮川の名物企画はなくなり、イモトは『下町ロケット』(TBS系)で好演し、女優として売れています。つまり、宮川はヤラセ疑惑、イモトはフィクションの世界で活躍しては、『イッテQ』の名物であるガチンコ感を視聴者は感じられないでしょう。だからこそ、みやぞん(ANZEN漫才)や木村佳乃に新風を期待したのだと思いますが、こちらも上手く回っていません。そろそろレギュラー陣の顔ぶれを変えてみてもいい時期かもしれませんが、それほど焦っているように感じられないのは、総合演出の古立善之を変えていないことからも明らかです」(同)
古立プロデューサーといえば、「イッテQ」のみならず、「月曜から夜ふかし」「嵐にしやがれ」など多くの人気バラエティを手がけている。
「現在の日テレのエースと言っていいでしょう。彼は土屋プロデューサーの下、『電波少年』で修業し、加藤局長の下、『イッテQ』や『24時間テレビ』で鍛えられた、日テレバラエティの王道を継ぐ者なんです。だから、トップの局長は変えても、演出の古立は変えなかったのは、『イッテQ』なら復活できると上層部は思っているのでしょう」(同)
そうそう上手くいくのだろうか。『ポツン』との差は約3ポイントまで開いているのだ。
「確かに3ポイントは大きいですが、この週のバラエティ部門のベスト10では『イッテQ 』は2位につけています。まだまだ1対1の戦いであることには変わりありません。『ポツン』のようなワンコンセプトの番組は、わかりやすい反面、飽きられたら落ちるのは早いという弱点がある。逆に言えば、『イッテQ』は何でもありで、ネタに制限はありません。日テレには『行列のできる法律相談所』や『世界まる見え!テレビ特捜部』にように、1度落ちても息を吹き返したノウハウがありますから、まだ余裕があるということだと思います」(同)
年間三冠王でもライバル関係にある日テレとテレ朝、その代理戦争とも言える両番組の戦いが注目される。
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