池江璃花子「白血病告白」から3カ月…一時退院も囁かれる18歳の闘病生活

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復帰後

 彼女の現状について、血液・腫瘍内科が専門の医師で医療ガバナンス研究所の上昌広理事長によれば、

「池江選手は年齢から、急性リンパ性白血病と考えられます。この場合、まず強力な化学療法を行います。4~5種類の抗がん剤をミックスして点滴などによって投与する“寛解導入療法”が無菌室で4週間ほど行われます」

 それでも白血病細胞は体内に残るため、

「それまで使用していない別の抗がん剤を追加して、“地固め療法”を行います。1カ月ほどの治療を4回から5回、計半年ほどかかります。順調に進んでいれば、彼女はこの地固め療法の2回目に入った頃ではないでしょうか」(同)

 別の白血病専門医が言う。

「寛解導入療法が終わると、リフレッシュのために一度帰宅させることが検討されます。外の空気を吸ってから再入院し、治療に取り組むというわけです。また、この段になると、点滴の本数が減ることもあります」

 根治まではまだまだ長い道のりだ。

「この地固め療法の後、白血病細胞が十分に減っていると確認できれば、飲み薬の抗がん剤による治療へ移ることになります。あるいは再発の可能性が高ければ、骨髄移植を待つという選択肢もあります。ただ、一般に若い人、例えば、50歳より回復力のある20歳の方が治る可能性は高くなります」(同)

“復帰”に向けての動きもある、と先の関係者が続ける。

「彼女のコーチである三木二郎さんは当初、病気に関し“自分が厳しいトレーニングを課したからではないか”と自責の念にかられていました。しかし、病気とトレーニングの因果関係は全くない。五輪でメダル争いのできる選手に戻れるかどうか、は別にして、最近では三木さんは“復帰後のメニューも考えている”と漏らしています。池江選手本人もその後のことを思い描き始めているそうです」

 再起までには、

「サラリーマンでも職場復帰まで1年はかかります。アスリートであればそこから筋量や心肺機能を戻していくことになるので、2年は必要でしょう」(上氏)

 東京五輪が絶望的だとしても、次のパリ五輪が待っている。

週刊新潮 2019年5月23日号掲載

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