痛ましい暴走事故に見た「世間の常識」と「テレビの非常識」(KAZUYA)
昨年の交通事故死者数は3532人で、過去最少だった一昨年よりも162人減っています。
近年は減少傾向で平成元年(1989)の死者数1万1086人と比べると半分以下の水準です。
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交通事故死者数は減っている……と言っても、やはりニュースを見ると痛ましい事故が相次いでいます。
最近、世間的に大きな注目を集めたのが、池袋で車が暴走して母子2名が亡くなった事故です。運転者の飯塚幸三氏は87歳と高齢で「アクセルが戻らなくなった」と話していますが、その後の検査でアクセルに異常がなかったと報じられています。
運転者も入院したため逮捕に至りませんでしたが、官僚あがりで勲章を授与されるなど経歴が華々しいから逮捕されないのではないかとの憶測がネット上で広がりました。
8日に発生した滋賀県大津市の事故も痛ましいものです。散歩中に信号待ちをしていた保育園児の列に車が突っ込み、園児2名が死亡。10名以上が重軽傷の大惨事です。車の運転者は逮捕されました。
園児たちは信号待ちをしていたわけですし、引率する保育士たちにも何ら非はないでしょう。この事故で注目を集めたのは、保育園が行った記者会見です。あまりにもマスコミがしょうもない質問をするので、とても見ていられないものでした。ネット上ではマスコミに批判が殺到しています。Twitterのトレンドに「マスゴミ」が入るほどです。
そもそも保育園が会見をする必要自体あったのか謎です。しかし会見をしないとマスコミが関係者に突撃して迷惑をかけるでしょうし(会見しても結局突撃しますが……)、予防措置とも考えられます。
会見である記者が、散歩に行く前の園児はいつもと変わらない様子だったかと園長に質問します。信号待ちの列に車が突っ込んでくるという、予見のしようがない今回の事象ですし、その前の様子なんていつもと変わらないでしょう。質問自体が馬鹿げていますし、聞いてどうするんだか。
園長は事故前の園児の様子を思い出したのか号泣。親だけでなく、園長や保育士にとっても面倒を見る子供を失った直後です。ありがちな光景ですが、被害者の家族に突撃して「今どんな気持ちですか?」などというのも、あまりに配慮がないと言うか……。
テレビでは目を引くような印象的なシーンが欲しいのでしょう。だから感情を出させるために怒らせたり、泣かせたりするような質問を繰り返します。マスコミが国民にもたらす情報は、大抵有益なものですが、TPOは考えろよという話です。日々の取材で感覚が麻痺しているのか、もしくは元から麻痺している人がマスコミに向かうのか……。
テレビなら不都合な部分はカットできても、今はネットで中継されるので、おかしな質問は糾弾されます。時代が変わったからこそ、マスコミもより危機感を持つ必要がありそうです。