中古車販売のプロがぶっちゃけ! 軽自動車を中古で買うことはおススメしません
最近、軽自動車が売れに売れている。2018年新車販売の車名別トップは2年連続でホンダの「N-BOX」。ランキングトップ10のうち、なんと7台が軽自動車だった。当然、中古車市場でも軽自動車人気は続いているが「軽自動車は中古で買うべきではない!」と現役の中古車販売業者は断言する。その理由とは?
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日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会は2019年3月の車名別新車販売台数を発表した。それによると、ホンダ「N-BOX」(2万6418台)を筆頭に、スズキ「スペーシア」(1万8848台)、ダイハツ「タント」(1万8525台)、と、トップ3を軽自動車が独占。今年もしばらくは軽自動車人気が続きそうである。
こうした軽自動車が支持される背景には、コストパフォーマンスの良さに加え、性能が向上している点にもあるようだ。
「税金の安さや燃費の良さ、総合的な維持費が安いという魅力はもちろん、最近は軽自動車でも衝突軽減ブレーキがついたものなど走行性能が向上したものや、広々とした車内空間を実現しているものも多く、幅広い年代から支持されるようになりました」
そう話すのは、『ネットに騙されない本当の中古車選び』(啓文社書房)の著書がある野瀬貴士さんだ。野瀬さんは、埼玉で中古車販売店も経営しているが、その立場と裏腹に、「軽を買うなら、新車で!」と語る。中古車販売のプロがあえて新車を推すとは意外……。
「中古車は年々値落ちしていくのが一般的ですが、軽の中古車は普通車に比べてなかなか値段が落ちないので割高です。その上、最近の軽自動車ブームによって、軽の値段は下がり幅がものすごく低い。中古で購入するとなると、お得感が低くなってしまいます」
例えば、近年1番人気のホンダ「N-BOX」の場合、新車価格はおよそ150~200万円ほど。それが中古車の場合、状態にもよるが120万円程度で購入可能となる。ちなみに普通車の場合どうかというと、新車価格が約300万円位の日産セレナが170万円程度で購入可能……といった具合だ。
それでも新車より少しでも安く購入できるならば……と、つい中古の軽に手を出してしまう人もいるだろう。しかし、野瀬さんが軽の新車を薦める理由は、値下がり率が低い以外にも、その売却価格にある。
「たとえばN-BOXであれば新車を購入して3年から5年乗っても、人気があるため、半額以上で売れます。150万で購入したとすると最低75万はつく。下取りで半値以上つくパターンは、普通車だとほぼ考えられません。これがN-BOXの中古車を買い、そこからさらに5年乗ってしまったら、全く事情が変わり、売却時の価格は0円になります。それだったら、新車に乗る方が気持ちもよく、燃費などもいいわけですから現在の軽自動車人気が続く限りは、新車で購入して、ある程度乗ったら売る……というのが1番いいでしょう」
150万で新車を購入しても、売るときには半分が返ってくる。一方、120万円の中古車にはその恩恵がない。結局、売却時の利益を差し引きすれば新車のほうがコスパはいいというわけだ。
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