「セブン」「ローソン」食品ロス対策への疑問 なぜ現金値引きではなくポイント還元?

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期限切れの牛乳を次々と流しに……

 まずローソンは、

「商品価格そのものを下げると、加盟店の売上が下がってしまいます。なにより価格決定権は店舗側にあるため、本部から値下げを強いることはできません。その点、ポイント還元であれば、本部負担で導入でき、加盟店の賛同も得やすいのではと考えています。寄附のシステムは、ポイント会員でないお客様にも、その選択によって“良いこと”ができる取り組みをと考えてのものになります」

 という答え。一方、セブンは、「報道にある還元策は確定ではありません」としつつも、

「電子マネーであるnanacoを用いることで、お客様も、そして店舗側も、オペレーションに負荷なく導入できると考えています。電子マネー還元にすることで、本部の原資で行えること、利便性を考えての対応です。何より価格の最終決定権は店舗にあります。今回の取り組みはあくまで販促策です。ポイントがつくことが販売動機につながると考えての施策です」

 両社ともに共通するのは「最終決定権は店舗にある」という見解だ。これは09年に公正取引委員会が示した“値引き制限は独占禁止法違反にあたる”との判断とも合致する。

「これにより、商品をいくらで売るかは、加盟店の判断に委ねられることになりました。とはいえ、収益とブランドイメージを保ちたい本部側は“定価販売”の姿勢を崩さず、以降も割引しないことが加盟店との間の暗黙の了解になっていました。もちろん、これを無視して割引弁当を売る店舗もないわけではないですが、本部に睨まるのは覚悟のうえでやるしかありません。だからこそ多くの店舗は、自店の負担で泣く泣く廃棄していたわけですよ」(前出・業界紙記者)

 流通アナリストでローソン勤務時代には店頭にも立った渡辺広明氏も“コンビニ廃棄”の経験者だ。

「期限が迫った牛乳を捨てる時は、ゴミ業者の方が作業しやすいように、中身を捨てるわけですよ。パックを次々に空けて、片っ端から牛乳をシンクに捨てる時は、何とも言えない罪悪感を抱いたものです」

 コンビニの廃棄問題は日本の汚点――と断じる渡辺氏だが、今回、セブンとローソンがポイント還元としたことには、加盟店を守る策でもあるとの理解も示す。

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