東京23区内タワマン暮らしなのに「コジ活」にハマる専業主婦の心の闇

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戦利品であふれる自宅、冷たい夫の視線

 コジ活主婦たちの何人かに自宅の写真を見せてもらった。とある主婦の家では、玄関の靴箱の上に無料でもらったペットボトルドリンクがずらりと並び、食糧庫はストックでパンパン。納戸や戸棚は、サイズがまちまちで整理しきれないコスメがあふれんばかりに詰め込まれている。

 在庫過剰となった「戦利品」で埋め尽くされた自宅を見る夫の視線は、一様に温度が低い。「そんなに稼いでないわけじゃないのに、なんでそんなことをするんだ」と自らの収入に不満があるのではといぶかしがったり、「どうせいつか飽きるだろう」と冷ややかに見守ったり──確かに実利はあるので大声で反対はしないものの、賛成も協力もしないという夫たちが多いそう。

 東京23区内にマンションを構え、専業主婦を“飼える”レベルの稼ぎのある夫を持ち、子どもも2人いる「標準世帯」で、何不自由なく暮らしているはずの主婦たち。平成も終わりを迎えた昨今では、絶滅危惧種ともいえる「超勝ち組」のはずだ。

 表向き、「いち早く新商品に触れられる」「商品知識を深められて知的好奇心が刺激される」など、もっともないいわけをするものの、その実やっていることはただの「物乞い」。どうして彼女たちは、そんなにもモノを集めて回るのか──。

コジ活は一種の自慰行為

「そこにイベントがあるから。イベントをやっていたら全部行きたいし、もらえるものは全部もらいたい」

 あるコジ活主婦は、イベント巡りに血道を上げる理由をそう説明する。

 筆者も含め、コジ活に過剰にハマる女たちというのは、本質的には宝塚やジャニーズ、韓流スターに熱中する女性たちの精神構造と大した差はない。日常生活では得られない刺激や満足を、ファンタジーに求めているという点では共通していると言えるだろう。

 しかし、コジ活の危険なところは、それに現実的な生活への還元があるということ。ただただ消費するだけの芸能人の追っかけと違って、家計への貢献も大きい。それが、彼女たちにとっても大義名分になっている。だからこそ、家族も友人も、彼女たちの行為を全否定し、やめさせようとすることは難しいし、本人も辞め時を見失っている感もある。

「ポイ活」「ポン活」といった比較的ライトな「お得活動」がメジャーになるのに伴い、SNSでイベント巡りにハマっていることを公言する「コジ活女子」は急増している。もしかしたら、あなたの身近にも、ひそかにちょっとオカシイ「コジ活女子」が生息しているかもしれない。

十二 社(とに・やしろ)
ライター。出身高校の校訓に基づき、語学教育からエンターテイメントまで、全天候型のラインティングを手掛ける(つまり器用貧乏)。東京生まれ東京育ち暗そうなヤツはたいがい友達だった中学時代を経て、高校・大学・社会人と誤った方向にデビューを重ねた末、妊活スタートを期にポイ活・タダ活などの「お得活動」にハマる。特定分野に特化したマイクロインフルエンサー(笑)を目指して鋭意努力中。

2019年5月21日掲載

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