東京23区内タワマン暮らしなのに「コジ活」にハマる専業主婦の心の闇

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お得のためなら家族も“総動員”、ネットストーキングで情報収集

 子どもたちもすっかり「コジ活慣れ」している。週末ともなれば、子守役の夫も引き連れて家族でイベントに参加。子どもも参加者の1人とカウントするイベントでは貴重な戦力となることも。来店特典はもちろん、くじ引きやスタンプラリーも逃さず参加し、戦利品をゲットして帰るのだという。

「子どもたちも1人って数えてくれるイベントは神。お土産が増えるのはうれしいし、抽選に参加できるならさせますよ。上の子は妙にヒキがよくて、当たりを引くことが多いんですよね」

 一通りの家事が終わり、子どもを寝かしつけた後、深夜も活動は続く。まずは、戦利品を床にずらりと並べて写真に収める。画像はインスタグラムにアップしては「いいね!」を稼ぐ。乱雑に大量のサンプル商品が並べられた画像はいわゆる「インスタ映え」とは程遠いが、時には3桁の「いいね!」がつくことすらある“映える”コンテンツだ。

 戦利品のアップと同様大切な作業が、インスタのタイムライン巡回。そのため、情報源は同じくイベント巡りを趣味にしているSNSアカウントの投稿だ。画像を一枚一枚、目を皿のようにしながらチェックしつつ、誰がいつどこでどんなお土産をもらっていたかを突き止める。ハッシュタグを追い、イベントの実態を解き明かし、1次ソースであるオフィシャル情報を突き止める。その様はまるで「ストーカー」だ。

 イベントでのお土産配布は基本的に先着ベースで行われることが多く、より早くよりレアな情報をゲットすることが重要になる。そのため、基本的に情報の共有は仲の良い身内だけ。ライバルたちには情報が漏れないよう、あえてお土産画像をイベント終了後にアップして、マウントだけ取るというようなアカウントも見受けられる。

 生活苦のためでもなく、節約のためでもなく、ただただ「無料で大量にものをもらう」ことに腐心し、時に協力しあい、時にけん制しあう主婦たち。「人より(いい)ものを(たくさん)もらいたい!」という思いだけが、彼女たちのモチベーションだ。

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