「今日俺」「3年A組」「俺スカ」……日テレ“新・学園ドラマ”に共通する“巧みな手法”

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高満足度の要因は若年層

 高い満足度の要因は、若年層の支持にある。「今日俺」では、10代男性が4.41、10代女性で4.69と驚異的な記録となった。「3年A組」も10代男性4.24、10代女性4.44と、どの視聴層よりも高く、同一クール全ドラマの中でトップだった。「俺スカ」も10代男性4.38、10代女性4.14で、やはり断トツ。ここまで10代に支持を集め続けるのは、近年のドラマでは珍しい。

 各ドラマに対する10代視聴者の感想をみると、ヒットの理由が垣間見られる。

〇「今日から俺は!!」
「ストーリー性がとても面白い」男性15歳・満足度5
「喧嘩だけど見てて飽きないし、嫌な気持ちにならない」女性18歳・満足度5
「これを見ると月曜日も頑張ろうと思えました!」女性18歳・満足度5
「ヤンキー感や友情を重んじるようなシーンが好感を持てる」男性18歳・満足度5
「バカっぽいけど感動した」男性16歳・満足度5
「クラスで話題になっていた」女性13歳・満足度5

“バカバカしいが笑える”“感動できる話がある”“月曜からのやる気をもらった”“学校で話題”など、久しぶりにテレビが翌日の話題になったようだ。敷居を低くしつつも、大切なメッセージが込めれるなど、視聴者に届く仕掛けが上手く機能した。

〇「3年A組」
「出演者の熱量がすごい」女性19歳・満足度5
「回を重ねるごとに暴かれる謎が面白くてあっという間に時間が過ぎます」女性19歳・満足度4
「見てて飽きない。ハラハラドキドキ、そして感動」女性18歳・満足度5
「柊先生の言葉が毎回心に沁みる」女性18歳・満足度5
「SNSについて考えさせられた良いドラマだった」女性14歳・満足度5
「メッセージ性が強く、勉強になる!」男性15歳・満足度5
「見ないと学校での話題にはついていけない」男性18歳・満足度5

 キャスティングの力で見始め、次第にストーリーやメッセージに引き込まれる若者が多かったようだ。『今日俺』と同様、学校で話題になっていた。日テレ“学園ドラマ”が、テレビをかつての位置づけに押し戻しているようだ。

〇「俺のスカート、どこ行った?」
「真面目なことも言うけれど、面白い」女性16歳・満足度4
「現代のLGBTの問題を取り上げててとてもいいドラマ」男性13歳・満足度5
「生徒一人一人変わってくるのが楽しみ」男性16歳・満足度4
「教師らしく無い感じで今の教育の世界では無いような世界観が好き」男性19歳・満足度5
「ドラマから伝わるものがあった」男性17歳・満足度4
「非常に感動した」男性15歳・満足度5

 自殺した生徒がなぜ死に至ったのかに向き合う中で、生徒たちに負の側面を直視させ、そこから明日への力を引き出させようとした「3年A組」。人の死やネット社会の功罪などの大問題に対して、「俺スカ」はより身近で小さいけど大切な課題を取り上げた。「人として知っておかなければならないことを教えにきた」と、主人公も言っている。勇気を出して一歩前に出る、自分の本当の想いに向き合う、相手の気持ちを思いやるなど、大上段に構えてはいないが、身近な切り口が若い世代に刺さったようだ。

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